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サービスのご案内


はじめに

 川崎市視覚障害者情報文化センターは、川崎市に在住・在勤・在学の視覚障害の身体障害者手帳をお持ちの方はもちろん、通常の印刷文字による読み書きが困難なかたなど、見えづらさによって生活に不便さを感じている方のための利用施設です。だれもが心豊かに生き生きと暮らすことができるように、センターでは次の5つの事業を行っています。

 どうぞ、お気軽にお問い合わせください。


相談

 人は視覚により80%以上の情報を取得すると言われています。見えにくくなると、文字が読みづらくなったり、歩いていて人にぶつかってしまうなど、生活の様々な面で不自由なことが多くなってしまいます。センターでは、そのような人が自立した生活をおくることができるように、専門のスタッフがご本人のお話を伺いながら、必要な情報や社会資源などをお伝えしたり、ご希望に応じて訓練を行います。


各種訓練

対象者
川崎市に住んでいるかた、或いは市内に通勤・通学されている視覚障害のかた。
相談と訓練の方法
1対1の個別指導です。
センターに通所していただくか、自宅へ指導員が訪問して、訓練を行います。
訓練期間や回数は、そのかたの必要に応じて行います。
なお、訓練の費用は、原則として無料です。
訓練の内容
歩行訓練、ICT(パソコン・スマートフォン)訓練、点字訓練、調理、身辺管理などの日常生活訓練があります。そのかたの希望に応じて行います。

歩行訓練

歩行訓練・イメージ画像

 歩行訓練は、白杖(はくじょう)を使用して一人で歩行ができるようにする訓練です。目的地までの地図を頭に描き、その地図に沿って白杖を使用して歩く練習をします。「近くのコンビニまで行って買い物がしたい」「通院している病院に一人で行けるようになりたい」「最寄り駅まで行けるようになりたい」等のご希望に合わせて目的地を決め、現地でマンツーマンの訓練を行います。
 白杖の基本的な使い方、住宅街の歩き方、電車やバスの利用方法、手引きによる歩行等を実施し、安全に外出できるようになることを目指します。


ICT訓練

ICT訓練・イメージ画像

 情報障害と言われている視覚障害者のコミュニケーション訓練の一つとして位置づけられています。情報通信機器を音声で確認しながら操作し、インターネットを通して自ら必要な情報を取得したり、メールやSNSなどを使って自らの情報を発信したり、アプリケーションソフトの操作訓練を行います。パソコンやスマートフォンの操作技術を習得することで、コミュニケーションの幅が広がり、生活の利便性が格段に向上します。

パソコン訓練

 市販のWindowsパソコンに画面音声化ソフト(スクリーンリーダー)をインストールし、さらに専用のソフトを組み合わせることで、メール、ホームページ閲覧、サピエ図書館などが利用できるようになります。

【基礎訓練】
  • キーボードのキー配列を覚えることからはじめます。視覚を使わずにキータッチできるようになります。
【文章の入力と編集訓練】
  • 音声を聞きながら打ちたい文字が入力できるまで何度もキーボード入力の練習をします。入力した文字の確認、修正、文字の挿入など、文字の編集ができるようにします。
【情報・通信機能の活用訓練】
  • ホームページの閲覧、メールの送受信など、インターネットの世界でリアルタイムに変化する情報を他者と共有し、語り合う喜びを実感することができるようになります。周りの人との交流が活発化し、社会参加できるようになっていきます。

スマートフォン訓練

 視覚障害者にとってスマートフォンは、必要な時にすぐに情報を得ることができるとても便利な機器です。画面が見えなくてもパネル上で左右に指を払ったり、軽くたたくなどのジェスチャ操作と画面読み上げ機能を利用すれば、だれでも使いこなすことができます。まず、何が使えるようになりたいかを伺い、その方のペースに合わせて根気よく訓練を行って行きます。スマートフォンが使えるようになれば、生活の質が大きく向上することが期待できます。


点字訓練

点字訓練・イメージ画像

 点字は指先で触読する文字です。まず紙に書かれた点字を指先で触り、6つの点の位置を認識する練習を続けていきます。これを根気よく繰り返すことにより、少しずつ、読めるようになっていきます。また点字には独自の書き方のルールがありますので、点字を正しく書けるように指導します。
 点字をマスターすれば、自身の持ち物や家の中の物の識別、必要な情報のメモ、点字による読書などができるようになり、積極的で自立的な生活をおくることに繋がっていきます。


日常生活訓練

調理訓練・イメージ画像

調理訓練

 調理は材料の選択、包丁を使った食材の加工、煮る、焼く等の調理操作、それに伴う判断などが求められ、中には危険を伴う動作も含まれます。視覚に頼らない安全で確実な調理技術を、実際に調理を繰り返し行いながら、身に付けます。(訓練はご自宅のキッチンで行います。)

ADL(日常生活動作)、補助具の使い方

 視覚に障害をもつと、衣類や生活用品の整理などの身辺処理をはじめとする日常生活に、むずかしさや不自由さを感じる場面が多くあります。しかし、触る・聴くなど、視覚に代わる感覚を活かし、動作による対処や識別の方法、便利な道具の利用方法など、視覚を使わなくてもできる対処方法があります。これらを身に付けることで、自分にできることが広がっていきます。

【例】
  • 室内の安全な移動・机の上に置かれているものの位置を確認する
  • お札や小銭の識別
  • 単独での洗濯
  • 録音図書再生機の操作
  • 福祉制度に関する情報取得など

 生活訓練の目標は、必要なことがらを安全、確実に行えるようになることです。自立した生活を送ることを目標に、それぞれの生活に応じた訓練計画を作成します。


図書館サービス

 川崎市に住んでいるかた、或いは市内に通勤・通学されているかたで、通常の印刷文字による読書が困難なかたが利用できます。(手帳の有無は問いません。)はじめてのかたは、利用登録をしていただきます。電話で登録ができますので、お気軽にお問い合わせください。
 視覚障害者向けの図書には点字図書と録音図書があります。点字図書は紙に書かれた点字を製本したもので、一タイトルが数冊で構成されています。録音図書はデイジーという形式で録音された音声図書で、一タイトルが一枚のCDに収められています。このCDを再生するには、専用のデイジー再生機が必要です。日常生活用具給付制度という福祉の制度を利用すれば概ね定価の1割で購入することができます。お取り扱いは用具販売コーナーで行っています。(デイジー図書再生機:プレクストークPTN3PTR3


点字図書・録音図書の貸出について

図書の貸し出し・イメージ画像
  1. 図書や雑誌は、郵送で貸し出しを行なうことができます。
  2. 貸し出しは無料です。郵送料もかかりません。
  3. 蔵書にないものも、ほかの図書館から取り寄せて貸し出しをすることができます。
  4. 書名などがはっきり分らなくても、当センターで本をお探しいたします。
  5. 貸し出し期間は本がお手元に届いてから2週間です。2週間でご返却できるならば、何タイトルでも貸し出しできます。読み終らない場合には延長することもできます。
  6. 点字雑誌や録音雑誌は、定期的に発行されます。お申し込みいただいたかたには、毎号お送りいたします。
  7. 楽譜や学習書など、ご希望により長期の貸し出しも行なっています。

プライベートサービスについて

対面朗読・イメージ画像

 センター、または他の点字図書館等に蔵書がない図書や日常生活で必要とする説明書(例えば、電化製品等のマニュアル)などの個人的なニーズに応えるため、点訳や録音を行ないます。

  1. 点訳:お持ちいただいた図書をお預りし、全部、或いは希望の箇所を点訳します。
  2. 点字印刷サービス:お持ちいただいた点字データを希望に応じてプリントします。
  3. 音訳:お持ちいただいた図書をお預りし、全部、或いは希望の箇所を音訳し、希望のメディアでご提供いたします。
  4. 対面朗読:お持ちいただいた図書をその場でお読みします(要予約)。

※点字用紙、CDなどのメディアの材料費はご負担いただきます。


「サピエ図書館」の利用について

 サピエ図書館とは、全国の視覚障害者向けの点字・録音図書の書誌情報とデジタルコンテンツを所有するオンライン上の電子図書館です。オンラインリクエストや点字・録音データのダウンロード、デイジーデータの再生が可能です。
 インターネットに接続しているパソコン、スマートフォン、専用機器を使って、どなたでもサピエ図書館を利用できます。(利用料無料)

URL https://www.sapie.or.jp/

 なお、ご利用の際には、サピエ図書館のID、パスワードの取得が必要です。
 ご希望の方は、当センターまでお問合せください。

 また、当館の蔵書や「サピエ図書館」に登録されている点字図書を点字に印刷するコピーサービスを行なっています。(点字用紙はコピー枚数分の実費をいただきます。)

 なお、点字・録音データのダウンロード、デイジーデータの再生には、手続きの他専用のソフトが必要な場合がありますので、ご不明な点などあれば、センターまでご相談ください。


お調べもの

 センターではみなさまのお読みになりたい本を探すお手伝いなどをする「レファレンスサービス」を行なっています。本屋大賞など様々な文学賞の受賞作のご紹介や、お好きな作家の著作リストの作成ほか、様々なお調べものに対応いたします。


センターからのお知らせ

 利用者のかたにはご希望により、次のお知らせをお送りします。

  • 新刊図書案内『ぶっくがいど』(年6回発行)
  • メールマガジン『アイeye』(年24回発行)
  • 音声版 メールマガジン『アイeye』(年6回発行)

 新刊図書案内『ぶっくがいど』は点字版・録音版・墨字版のいずれかをお選びください。

 メールマガジン『アイeye』とは、パソコンやスマートフォン、携帯電話にインターネットを通して送信するメールの広報誌です。メールが受信できないかたのために、音声版もご用意しています。メールマガジン2か月4号分を再編集し、奇数月にCDで貸し出す新たな音声雑誌です。メールマガジンならではの、タイムリーな情報、職員の素顔を垣間見ることのできるコラム、図書や用具の紹介、訓練のエピソードなどが気軽に楽しめる30分から40分ほどの音声雑誌です。なお音声は合成音声で製作しています。


白杖、音声時計、拡大読書器などの福祉用具類、
生活に便利なグッズの取り扱い

 センターの用具展示コーナーでは、白杖、点字器、音声時計、音声体重計、音声体温計、録音図書再生機などの補装具・日常生活用具の対象品はもちろん、生活に便利な様々なグッズを取り扱っています。これらのグッズは、身近な不便さを解消するのに役立ちます。(川崎市外のかたも購入できます)
 ※補装具・日常生活用具申請用の見積書の作成も行っています。


ボランティアの養成

 点字図書、録音図書、映画の音声ガイドは、ボランティアによって製作されています。当センターでは点字図書、録音図書の製作ボランティアの養成をそれぞれ隔年で行っています。また、映画の音声ガイド製作ボランティアの養成を随時行っております。


点訳ボランティア

 かつては1点1点、紙に直接打っていましたが、今はパソコンで点訳します。といってもパソコンが自動的に変換していくのではありません。キーボードの6個のキーを点字の6点に当てはめ、点字の形どおりに入力していきます。点字の表記には「分かち書き」などの独特なルールがあります。また、点字は表音文字ですので、漢字を正しい読みで点訳することが必要です。講習では、正しい読みを調べ、「分かち書き」のルールに沿って点訳することを学びます。
 なお、現在点訳養成講座は隔年で開催しておりますが、市内の点訳ボランティアグループから講習生を推薦していただきますので、一般向けに募集は行っていません。


音訳ボランティアについて

 録音図書は、文字や図などの視覚情報を声で代替するものです。耳で聞く図書ですので、読み聞かせのような感情をこめるものではなく、自然に耳に入ってくるわかりやすい読みが求められます。視覚障害者向けに図書を音声化することを点訳に対して音訳と言い、読み手を音訳ボランティアと言います。
 養成講座では読みの指導に加え、漢字の正しい読みの調べ方、パソコンの操作方法を指導いたします。パソコンが不慣れな方でも音訳しながら学んでいきますので安心して受講できます。
 また、録音された音訳データをパソコンで編集して図書の体裁を整える「デイジー編集者」というボランティアもあります。
 音訳ボランティア、デイジー編集ボランティアとも、養成講座を開催するタイミングで募集をいたしますので、ご興味のある方はセンター音訳担当までどうぞ。


映画の音声ガイド製作ボランティアについて

 映画の音声ガイドとは、登場人物のセリフの合間に表情や風景描写などの視覚情報を音声で補うことで、視覚障害者の心のスクリーンに映画を映すお手伝いをするものです。この音声ガイドの台本を書くボランティアのことを、「ディスクライバー」と呼びます。
 センターでは音声ガイドの製作にも力を入れています。製作にはディスクライバー、そして音声ガイドが伝わりやすいものになっているかをチェックする当事者のモニターが不可欠です。センターでは、どちらのボランティアも随時募集しています。映画の世界に深く入り込むことができる、大変ですがおもしろい作業です。詳しく知りたい方、ぜひセンター音声ガイド担当までお問い合わせください。


文化イベントの開催

 音声ガイド付きDVD映画体験上映会、ヨガ教室、歴史的な音源を聞く会(れきおんクラブ)、音楽コンサート、読書会などのイベントを定期的に開催しています。(川崎市外のかたも参加できます)


コンサート・イメージ画像

 視覚障害市民の図書館として、ニーズを叶えるさまざまなサービスを提供したいと考えています。どうぞ、ご意見ご要望をお寄せください!


お問い合わせ・ご意見・ご要望

電話 044-222-1611
ご用件をお伝えいただければ、各担当におつなぎします。


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