川崎アイeyeセンター
メールマガジン『アイeye』

第232号

2025年3月25日 発行
発行責任者 杉山雅章


目次

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1 ニュース&トピックス

(1) 「音声解説付きDVD映画の体験上映会」のご案内

 4月は、日本映画「Love Letter」を上映いたします。

日時
4月26日(土曜日)13時30分から(1時間53分)
定員
46名・予約制(定員を超えた場合、市外の方は抽選となります。)
締め切り
4月11日(金曜日)17時
作品情報
婚約者の樹を山の事故で失った渡辺博子は、彼の旧住所である小樽に手紙を送る。奇跡的にその手紙は樹と同姓同名の女性に届き、文通を通じて彼女が樹の中学時代の同級生であることが判明。さらに、少年時代の樹と女性の樹との複雑な関係や秘めた想いが浮かび上がる。博子は婚約者を忘れられない思いを抱えながらも、小樽での出会いや手紙を通じ、心の整理を進めていく。岩井俊二の長編初監督作品となる本作は、1995年公開当時に韓国をはじめアジアで大ヒット。昨年急逝した中山美穂が主演で、「博子」と「女性の樹」の二役に挑戦している。
監督・脚本
岩井 俊二
出演
中山 美穂、豊川 悦司、酒井 美紀、柏原 崇 ほか

(2) かわさき春のコンサート「クラシック・コンサート
 ~ピアノとヴァイオリンのデュオを聴く午後~」のご案内

 2025年のかわさき春のコンサートでは、心躍る名曲の調べとともに、特別なひとときをお過ごしください。今回は、世界的に活躍するヴァイオリニスト・岩田恵子さんと、実力派ピアニスト・草冬香さんをお迎えし、春のクラシック・コンサートを開催いたします。
 岩田恵子さんは、欧州三大オーケストラのひとつ、オランダのロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の第1ヴァイオリン奏者として、長年にわたり世界中の名指揮者と共演されてきた名手。草冬香さんは、各地の音楽祭への出演、著名な音楽家との共演を重ね、繊細かつ力強い演奏で聴衆を魅了するピアニストです。
 今回のプログラムでは、シューマンのヴァイオリン・ソナタ第2番をはじめとする、ピアノとヴァイオリンによる名曲の数々を予定しています。クラシックに詳しくない方でも楽しめる構成となっており、お子さまから大人まで、どなたでもご参加いただけます。
 お二人の奏でる美しい旋律に包まれながら、春の訪れを感じる贅沢な時間をお楽しみください。

日時
5月10日(土曜日)13時開場 13時30分開演(15時30分頃終演予定)
会場
ふれあいプラザかわさき2階ホール
締め切り
4月25日(金曜日)17時
定員
140名・指定席(定員を超えた場合、市外の方は抽選となります。)

2 スタッフルームから/「退職にあたって」

 センター長の杉山です。3月末をもちまして退職いたします。最後の原稿になりますので、日本点字図書館で働くことになった経緯について少しお話ししたいと思います。

 小さい頃は、プラスチックモデルを作ったり、SFを読むのが好きな子どもでした。大学では工学部で機械工学を専攻し、卒業後自動車部品の開発に携わる仕事に就きました。ものづくりが好きだったため、興味を持って仕事をすることができました。大変な労力をかけて製品を生み出していく仕事なのですが、10年続ける中で、何か心の中に、もやもやするものがありました。ユーザーに直接評価してもらうことがないため、達成感というか、満足感に物足りなさを感じるのです。人目につかない製品のため仕方がないのですが、自分にはどうしても受け入れられない、その気持ちをどのように整理したらよいのか、色々な本を読んでいる中で聖書と出会い、次の一文が心に留まりました。「実に神はすべての人に富と財宝を与え、これを楽しむことを許し、自分の受ける分を受け、自分の労苦を喜ぶようにされた。これこそが神の賜物である。こういう人は、自分の生涯のことをくよくよ思わない。神が彼の心を喜びで 満たすからだ。」(伝道の書 5章 19・20節)

 この文章を読み、「自分の労苦を喜べる仕事とは何か」を心の中で探ってみました。そして、人に喜んでもらえる仕事がしたいと福祉の分野に進むことを決めました。「できればものづくりに関わる仕事がしたい」と思っていたところ、日本点字図書館の視覚障害者用具の開発・販売の仕事を知り、運よく入職することができました。

 15年にわたり用具の開発・販売に従事し、その後、総務、図書館業務、館長を経験し、現在のセンターに赴任しました。34年勤務し、今退職するにあたり、振り返ってどのような人生だったでしょうか。ご安心ください。喜びをもって仕事をすることができ、(さすがにいつもではありませんが…)自分の生涯をくよくよ思わない人生を歩むことができたと思います。それは、利用者の皆様に直接接し、その笑顔を見ながら仕事ができたからです。皆様の笑顔が、何よりも大きなやりがいとなり、励みとなりました。特にセンターでの8年間は、地域の施設としてこれまで以上に多くの方々と接することができましたので、とても充実していました。このような思いをもって仕事をすることができたのは、なによりも利用者の皆様のおかげです。心より感謝申し上げます。

 退職後も、時折センターにお手伝いに伺うことがあるかと思います。その際には、皆様にお会いすることもあるでしょう。楽しみにしております。それではどうぞ、お体にお気をつけてお過ごしください。長い間、本当にありがとうございました。


3 本棚を探して/「落語に関する本」

 点訳担当の浦野です。今回は、センターで点字製作した落語に関する本を紹介します。もちろん他館も含めて、デイジーも製作されていますよ。

■『菊池寛が落語になる日』
 春風亭 小朝 著
 点字4巻 デイジー7時間46分

内容:圧倒的な人間観察眼と超斬新なシチュエーションで、菊池寛の小説が現代によみがえる!春風亭小朝のライフワーク「菊池寛落語」を小説化。「入れ札」など落語小説全9編、菊池寛の原作短編、浅田次郎との対談を収録する。

コメント:この本と出会い、実際に「菊池寛が落語になる日」に行ってきました。とてもおもしろくて、もっと早く出会っていればと思いました。残念ながらこの落語会は終わってしまいましたので、本で楽しみましょう。

■『21世紀落語史 すべては志ん朝の死から始まった』
 広瀬 和生 著
 点字6巻 デイジー13時間30分

内容:古今亭志ん朝の早すぎる死という悲劇を乗り越える中で「落語ブーム」が訪れ、今の活況に結びついた。21世紀の落語界の現在に至るまでの出来事を、落語ファンとして客席に足を運び続けた著者が振り返る。

コメント:現代の落語を楽しむうえでの必読の書です。

■『どこからお話ししましょうか 柳家小三治自伝』
 柳家 小三治 著
 点字3巻 デイジー5時間18分

内容:人情の機微を描き出す円熟の古典落語、即興の妙が光るマクラ…。噺家・柳家小三治が、生い立ち、初恋、入門、修業時代、真打昇進、落語論から、バイク、クラシック音楽、俳句、忘れじの人々まで、すべてをたっぷり語り下ろす。

コメント:2021年に亡くなった、私の大好きな落語家さんです。落語会に足を運び、CDも集めました。販売されているCDの一部はセンターからも貸し出し可能です。

■『後家殺し』
 山本 一力 著
 点字4巻 デイジー6時間17分

内容:天保3年6月、森田座にて開かれた義太夫の小屋で、常吉は運命の女に出会い…。表題作をはじめ、「子別れ」「景清」など、落語の演題5編を大胆な解釈で小説化。『STORY BOX』ほか掲載を加筆し単行本化。

コメント:収録5編のうち、「柳田格之進」が特におすすめです。落語ファンもそうでない方も楽しめる一冊です。デイジーも当センター製作です。


4 編集後記

 杉山センター長、長い職業人生、おつかれさまでした。私のセンター長への思いは、1月10日号の本誌で「電子レンジ」が語ってくれましたので、ここではあえて触れないことにします。

 さて、2月25日号で取り上げた「おすすめラジオ番組」、Sさんから追加の投稿をいただきましたので、ここに紹介いたします。

楽しくておすすめです。

 別れがあれば出会いもある、それが春ですね。4月には新しいメンバーを加えてセンター運営を進めてまいります。ご期待ください。

メールマガジン『アイeye』 編集委員 浦野盛光


発行:川崎市視覚障害者情報文化センター(川崎アイeyeセンター)
住所:郵便番号 210‐0026  川崎市川崎区堤根34番地15
電話:044-222-1611
ファクス :044-222-8105
メールアドレス:kawasaki-icc@kawasaki-icc.jp
公式ウェブサイト:http://www.kawasaki-icc.jp/


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