2025年7月10日 発行
発行責任者 内藤牧
目次ここまで
王侯・貴族が大きな力を持っていた時代の最後の作曲家ヨーゼフ・ハイドンは、車大工の子として生まれながら、音楽の才能のみで大作曲家の地位を得ました。ソナタ形式を完成させ、後輩モーツァルトを高く評価していたことでも有名です。その音楽は形式美を前面に押し出した安定の心地よさに溢れており、誰が聴いても満足させられてしまう堅実さが特徴で、交響曲、弦楽四重奏曲を中心に数多くの作品を残しました。
今回は、その交響曲と弦楽四重奏曲をメインとして、一部協奏曲も組み入れた内容で、その芸術を堪能します。
第27回参議院議員通常選挙が、7月20日(日曜日)に執行されます。それに先立ち、当センターにご登録のある方には、「水車の会」より選挙のお知らせの音声CDが送られます。発送は7月16日前後を予定しております。
また、選挙のお知らせの点字版をご希望の方で、神奈川県内にお住いの方は、神奈川県ライトセンターに直接お申し込みください。
橋口です。さて、なんとも悩ましい問題です。
お仕事的な話になりますが、全国的に当センターのような視覚障害者の方向けの図書館における貸し出し数は年々減少の一途をたどっています。サービスの質を検証するのに数がすべてではありませんが、減ってしまっては衰退していくこともまた容易に想像できます。そこで貸し出し数増を狙い、人気のある作品や映画を手がけるということが選択肢に加わってきます。結果、製作されたのがシネマ・デイジー「コクリコ坂から」です。
本作はスタッフの安藤が好きな作品らしく、天下のジブリ作品だったこともあり着手しました。なんとも軽々しい理由で申し訳ないのですがこれがスタートで、早一年が経ちます。
正直、紆余曲折ありました。舞台は東京五輪開幕を翌年に控えた1963年、高校生同士の淡い恋を描いた作品です。それならば、主人公とほぼ同じ世代のボランティアさんに台本をお願いすればよいものができるのでは…と考え、Oさんに早速依頼。時代背景の理解など功を奏した部分もありましたが、「高校生の恋愛はよくわからない」と頭を抱えられ、「それならば私がフォローするしかあるまい」と意気込んだところで、私の高校時代も既に忘却の彼方。ポケベルにメッセージを送るために、公衆電話から謎の暗号文を送信していた世代ですからね…(ため息)。
さて、無駄話失礼いたしました。私がセンターに入職して6年目になりますが、現場の立て直しに追われた6年だったなと思います。手探りでいろいろ取り組む中、要所要所で助けてくれたのが先輩であった安藤でした。そして製作していく中で、録音図書製作の担当として大城が入職し、入れ替わる形で安藤が離れました。そのことで、この作品への関わり方が少しだけ変わったと思います。
7月1日、「コクリコ坂から」は無事にサピエで公開されました。多くの利用者に聴いてもらえますようにという少々腹黒い思い(目指せ、貸し出し増!)の裏には、安藤の好きな作品を丁寧に仕上げることで伝える感謝のようなものがあったり、高校生の恋愛に悪戦苦闘するボランティアOさんと私がいたりと、さまざまなものが交錯しています。
そう考えると、図書館の現場っておもしろいですね。数に表れないところにも、意外と尊いものがあったりするのですから。(追記 安藤は退職する訳ではありません。誤解なきよう)
点訳担当の浦野です。センスプレーヤーライトについて紹介するこのシリーズも、今回が最終回です。これまで紹介していなかった機能についてお伝えしてまとめとします。
詳しい操作法については、今回は割愛しています。また、一部カメラ機能付きの上位モデル「センスプレーヤー」の機能についても触れます。
MP3などのオーディオファイルを再生できます。30秒、5分など単位を細かく設定して移動できます。そのため、会議やラジオの録音など長い音源を聞くのに向いていると思います。
テキスト形式、ワード形式、電子書籍のEPUB形式などの文書が読めます。
FMラジオを聴取できます。ワイドFMにも対応していますので、AM局のTBSラジオ、文化放送、ニッポン放送も聴取できます。ただし、付属のイヤホンがアンテナを兼用していて、これをつながないと電波を拾わないことが多いでしょう。
インターネットで配信されるラジオを聴取できます。かわさきFMも聴取できました。NHKのらじる★らじるにも対応しています。
ただし、radikoには対応していません。
ポッドキャストの配信音声コンテンツを再生できます。お気に入りの番組を登録することもできて、スマートホンより便利に使えると思います。
録音機能、電卓、アラーム、ストップウォッチ、カラーリーダー(センスプレーヤーのみ)などの機能があります。
スマートホンの外部キーボードとして利用できます。詳細はお問合せください。
なお、センスプレーヤーでは、OCR機能も利用できます。資料をカメラで撮影すると、文字認識して読み上げてくれます。スマートホンをご利用の方は同様のアプリがありますので、使う機会はないかもしれません。しかし、スマートホンの操作が苦手な方は、物理キーで操作できるメリットは大きいでしょう。また、付属の撮影スタンドを使うと、A4用紙1枚分を確実に撮影できます。
プレクストークリンクポケットの後継として注目される本機器ですが、その操作性はプレクストークシリーズとは大きく変わります。機器の操作に自信のない方は、事前に操作性を確認してから購入されることをおすすめします。
また、カメラなしのセンスプレーヤーライトとカメラありのセンスプレーヤーのどちらを選択するかも悩ましい問題です。川崎市で日常生活用具を申請する場合、前者はポータブルレコーダー、後者は拡大読書器の枠になります(自治体によっては活字文書読み上げ装置になる場合もあるようです)。どちらの枠が空いているか、またはどちらの枠を空けておきたいかということも判断のポイントになりそうです。ちなみに私は、OCR機能はスマートホンで充分と考えて、センスプレーヤーライトを選択しました。
購入の相談は、当センターまで。
本誌231号の「デイジー再生編」で、「サピエ図書館」のデイジー図書をセンスプレーヤーライトで聴く場合、必ずダウンロードしないといけないと書きました。しかし、その後の機能更新で、ダウンロードしない聴き方(ストリーミング)が可能となりました。すでに本機器をお使いの方は、ファームウェアを更新してください。
センターの夏はプロレスです。鹿島田にある菊地眼科クリニックの菊地先生がご自分が大好きなプロレスを視覚障害者の皆様にも楽しんでほしいと、毎年ご招待いただいています。中原区出身のプロレスラー大原はじめさんは親しみやすいお人柄で、これまで何度もセンターに来て、盛り上げてくださっています。私も今年はじめてのプロレス観戦で、ちょっと緊張しています。
8月11日(月曜日)15時、皆様お揃いで、カルッツかわさきへGO!チケット申し込みは、7月26日(土曜日)17時までにどうぞ。
メールマガジン『アイeye』 編集委員 澤村実希
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