川崎アイeyeセンター
メールマガジン『アイeye』

第235号

2025年5月10日 発行
発行責任者 内藤牧


目次

目次ここまで


1 ニュース&トピックス

(1) 「CDで聴くクラシック音楽講座」のご案内

第13回 ブラームス(その1)
~音楽のあらゆる要素を有するロマン派最大・最高の作曲家~

 北ドイツ・ハンブルク生まれのヨハネス・ブラームスは、シューマンの推挙により世に出て、やがて楽都ウィーンにてその才能を存分に発揮しました。その音楽は重厚さと繊細さを併せ持ち、古典的形式を重要視しながら、また青春の息吹をも同時に感じさせるという、かなり複雑な様相を呈しています。
 今回はその第1回として、シューマン家の人々を含めた多くの交友関係と、生涯独身を通しながらも豊かだったといえる異性との関係にも触れつつ、まず、その作品群の中で中核をなす4曲の交響曲とロマン派宗教音楽の最高傑作といえるドイツ・レクイエムを聴くことによって、その音楽の魅力に迫る第一歩とします。

演奏曲目
交響曲第1番ハ短調作品68、交響曲第2番ニ長調作品73、交響曲第3番ヘ長調作品90、交響曲第4番ホ短調作品98、ドイツ・レクイエム作品45第1曲「悲しんでいる人たちはさいわいである」、同・第4曲「万軍の主よ、あなたのすまいは」
日時
6月7日(土曜日)13時30分から15時30分
定員
46名・予約制(定員を超えた場合、市外の方は抽選となります。)
申込締切
5月23日(金曜日)17時

(2) 「小説の中の音を楽しむ会」のご案内

 今回の「小説の中の音を楽しむ会」では、森沢明夫著『虹の岬の喫茶店』を味わいます。
 本書の主人公は、小さな岬の先端にある喫茶店を一人で切り盛りする女性です。彼女は、美味しいコーヒーとともに、人生に寄り添う音楽を選曲して、心に傷を抱えたお客様の心をほぐしてゆきます。ご参加の皆様には温かいコーヒーをご提供いたしますので、小説に登場するザ・ビーチ・ボーイズやプレスリーなどの名曲を聴きながら、小説の世界をじっくり味わっていただけると思います。
 テーマ図書については、読了しているかどうかは問いませんが、お読みいただいてからの方が登場人物の気持ちがわかり、一層作品世界を楽しめると思います。皆様のご参加をお待ちしています。

日時
6月14日(土曜日)13時30分から15時30分
定員
36名・予約制(定員を超えた場合、市外の方は抽選となります。)
申込締切
5月30日(金曜日)17時
作品
森沢 明夫 著『虹の岬の喫茶店』(点字4巻、デイジー6時間51分)

2 スタッフルームから/「はじめまして、大城です」

 はじめまして。4月に入職しました、録音製作担当の大城まゆみと申します。私は沖縄県出身で、昨年9月に上京して参りました。その理由はといいますと。数年前から東京に住んでいる家族に、上京することを強く勧められておりました。定年まで仕事を続け、退職後に上京することも考えましたが、新たな場所で新しいことに挑戦してみるのもアリかなと思い、仕事、家、車、身の回りの物を手放すという一大決心をしました。前職も沖縄で録音製作の仕事をしておりました。上京後は、別の分野で働いてみたいという思いもありましたが、タイミングやご縁が重なり、入職させていただきました。

 沖縄では車での生活でしたので、電車に慣れない私にとって、通勤は緊張の連続です。満員電車の中で、私は本当に目的地で降りることができるのか、何駅も前からその事ばかり考えドキドキしています。また、電車に乗っていて感じたことは、多くの人が吊革につかまることなく、携帯を手にしている姿に驚きです。なんてバランス感覚がいいのでしょう。私も慣れたら同じようにできるのでしょうか。自信がありません。それから、もう一つ感じたことは、駅の名前の面白さです。当センターの最寄り駅「八丁畷」の名前も変わっていて、漢字を初めて見た時は、恥ずかしながら読めませんでした。変わった駅の名前を見ると、何故そのような名前が付いたのか、その駅を降りたらどんな街なのか、想像を膨らませ、楽しむようにしています。

 入職して1か月が過ぎましたが、先輩の優しい指導の元で仕事をしています。一日も早く業務に慣れ、皆様のお役に立てるよう努力してまいります。どうぞ宜しくお願い致します。


3 カワサキ・用具の窓/「あしらせと仲良くお出かけ」

 訓練担当の全盲職員、石川です。

 昨年秋より話題になっている「あしらせ」。靴に装着して振動で目的地周辺までの道順を案内する歩行支援機器をご紹介します。

 「あしらせ」は、スマートフォンのアプリと連動させ、スマートフォンからの音声ナビと合わせて、歩行をサポートします。現在対応しているスマートフォンは、iPhoneのみです。目的地の設定や周辺施設の検索などもiPhoneのアプリ上で行い、音声にて情報収集をすることができます。

 私が購入して半年が経ちました。足に伝わる振動から進む方向や曲がり角が近づいていることを知らせてくれます。常にiPhoneから流れる音声を聴き続ける必要がないため、周囲の音に気を配る余裕も出て、歩行が少し楽になりました。

 ただ、機械ですので、正確さには限界があります。駅前の歩道を歩いていたところ、平行して走る車道を横断して向かい側に行くよう指示が出ました。ところが、どれだけ周囲を探しても、渡れそうな横断歩道らしきものも信号もありません。しばらく困っていたのですが、ふと思いついたのが「陸橋があるかも」ということでした。周囲の人に尋ねると、やはり陸橋があることを教えていただき、ようやく「あしらせ」が指示する方向に進むことができました。「あしらせ」は、陸橋や地下道など、立体的な案内を苦手としているようです。また、ホテルなどの入り口に案内することもあまり得意ではないようで、裏口に案内されてしまったこともありました。

 とはいえ、事前にルートを覚えさせる機能もあり、見える人と一度歩いて、それを「あしらせ」のアプリに記憶させると、次に単独で同じルートを歩く際、的確な案内を得られる利点もあります。

 このようにメリットもデメリットもある機器ですが、今後ドンドン改良が重ねられていくことと思います。この「あしらせ」を楽しく、そして友好的に活用していくには、白杖や盲導犬を使ってしっかり自分の力で歩行ができること、スマートフォンのアプリが使いこなせることが大切ではないかと考えています。

 私は、今後もこの「あしらせ」を一つのお出かけパートナーとして、仲良く一緒に歩きたいと思う今日この頃です。

 現在販売している「あしらせ2」の価格は、54,000円(非課税)です。学割適用価格もあります。日本点字図書館で販売しています。購入を検討している方は、石川にお電話いただければ、もう少し詳しくお伝えいたします。また、まずは体験してみたい方は、ビックカメラ ラゾーナ川崎店 1階眼鏡コンタクト売り場で体験・購入できます。店頭が混みあっている時はお待ちいただくことがあるそうですが、気になる方はぜひ体験してみてください。


4 編集後記

 最近のマイブームは、キウイフルーツです。子どもの頃の給食以来、意識することはなかった気がしますが、昨年訓練担当していた利用者さんが大好物だとおっしゃって、キウイが気になり始めました。同じ頃、100歳近い私の大叔母が食が進まない時でもキウイなら食べられるとのことで、実家でも話題になっていました。私も買ってみたら、あらおいしい。今の時期限定の赤いキウイは、ベリー系のほどよい甘酸っぱさでおすすめです。旬のフルーツは、プチ贅沢な幸せをもたらしてくれます。

メールマガジン『アイeye』 編集委員 澤村実希


発行:川崎市視覚障害者情報文化センター(川崎アイeyeセンター)
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