川崎アイeyeセンター
メールマガジン『アイeye』

第226号

2024年12月25日 発行
発行責任者 杉山雅章


目次

目次ここまで


1 ニュース&トピックス

(1) 「音声解説付きDVD映画の体験上映会」のご案内

 2025年1月は、日本映画「武士の一分」を上映いたします。

日時
2025年1月25日(土曜日) 13時30分から(2時間1分)
定員
46名・予約制(定員を超えた場合、市外の方は抽選となります。)
締め切り
2025年1月10日(金曜日)17時
作品情報
役目のため失明した下級武士を支える妻と中間、そして一分を通すため復讐に挑む侍の姿を描く。主役の武士に木村拓哉。その妻に映画初出演の壇れいが扮し、新鮮な存在感を見せている。夫婦の愛の物語であり、白刃閃く復讐譚でもある本作を通して、山田洋次監督は「先祖たちの姿を、敬意を込めて描きたいのだ」と語っている。
原作
藤沢 周平
脚本
山田 洋次、平松 恵美子、山本 一郎
監督
山田 洋次
出演
木村 拓哉、檀 れい ほか

(2) かわさき冬のコンサート バイオリンと打楽器のデュオ「Dot & Line!」

 ソロで多彩な活動をする穴澤雄介と小川このん。2人が明るさと楽しさをお届けする今までにないスタイルのデュオ、それが「Dot & Line!」です。
 「Dot & Line!」は、それぞれが担当する楽器の音楽的要素を表していて、点的な音を得意とする打楽器と、線的な音を得意とするヴァイオリンのデュオという意味です。いわゆるベース楽器、コード楽器は存在しませんが、それを補うために編み出される斬新なアイディアや、点と線が織り成す立体的な音の世界をお楽しみください。

プロフィール

穴澤 雄介(ヴァイオリン・ヴィオラ奏者、作編曲家、ラジオパーソナリティー)
これまで20枚のCDをリリース。第7回ゴールドコンサートにてグランプリ、第25回浅草ジャズコンテスト・バンド部門にて金賞ほか、受賞多数。NHKラジオの番組テーマ曲に二つの自作曲が採用され、その活動はテレビ東京のドキュメンタリー番組「生きるを伝える」でも紹介される。「点字毎日」では、「幅広おすすめCDレポ」を毎月連載中。また、「全盲のYouTuberアナちゃん」として、毎日動画も投稿中。
小川 このん(ドラム・パーカッション奏者)
17歳で打楽器奏者の塚田靖氏に師事。古内東子、少年隊などのコンサートやライブ、小泉今日子、上戸彩、井上ヨシマサとのユニット“ATOM”などのレコーディングにも参加するかたわら、多ジャンルのコンサートやレコーディングに参加。さらに自己のJAZZグループや、ロックバンド“Amulette”での活動など、楽器やジャンルの枠を越え、様々なコラボレーションでダイナミックレンジの広いドラム・パーカッションとして、より繊細な演奏活動を行う。
日時
2025年2月15日(土曜日) 13時開場 13時30分開演
会場
ふれあいプラザかわさき2階ホール
締め切り
2025年1月31日(金曜日)17時
定員
140名(指定席)※定員を超えた場合、市外の方は抽選となります

(3) 市政100周年!テキストデイジー完成のお知らせ

 今年は、川崎市の市政100周年の年です。それにあたり川崎市では、記念誌『カワサキノコト Colors, Future! いろいろって、未来。』と、町名の保存と現在の町区域及び町名の由来を明らかにするために平成3年に発行した『川崎の町名』の改訂版を発行しました。
 当センターではこの2冊のテキストデイジーを作成しましたので、どうぞご利用ください。貸し出しのご希望は貸し出し担当まで。なお、サピエにも近日アップ予定です。


2 スタッフルームから/「ダークな正統派Fモト氏、独占インタビュー」

 貸し出し担当の藤本です。藤本は、「ダークな正統派Fモト氏」(参考:メルマガ225号)と多少知った仲ですから、今回はメルマガで話題となったFモト氏にダークな一面を語っていただこうかと思います。よろしくお願いしますFモトさん。

 「どうも、Fモトです。というか、ダークサイドと言われるとまるで闇に落ちたかのような言い回しですけれども、あたくしゃせいぜいプチダーク。言うなればダーク初心者。ブラックホールのフチで吸い込まれそうになっているけれど、ぎりぎりで吸い込まれてはいない、そういう人間なのです。」

 Fモトさん、ダークはダークでも、染まりきっていないと主張するとは、酔っていないと訴える酔っ払いのようなものです。

 「そもそも、誰しもデスクの上を散らかしておいて効率がいいものではないのである。家でも部屋でもそうなのだ。片付けておいたほうがいいことはわかっているのだ。ではなぜ、こんな有様になっているのか。それが暗黒面なのです。」

 ほう、するとFモトさんは、優先順位がつけられずに、タスク管理ができていないことを暗黒面のせいにして、ご自身ではまったく改善や工夫をなさっていないと、そういうことをおっしゃっているんですか?

 「いや、そうではない。そうではなく、これこそがダークサイドなのである。」

 Fモトさん、さきほどダークでないようなことを言っていた割に、ダークだと主張する非常に疑わしい展開になってきたと思う藤本でした。

 インタビューを終えた日、私が帰宅するとリビングが折り紙と画用紙とおもちゃだらけになっています。「だからー!この折り紙出しっぱなしなのは誰?保育園でも帰る時にお片付けするでしょう!?あれと一緒、家でも一緒!はい、この折り紙、しまうところに片付けて。このおもちゃ出しっぱなしなのは誰!?いらないの?いるの?出したら戻す!」私は帰宅早々にひとしきり叫びました。

 翌日。デスクに向かうと、Fモト氏から連絡がありました。心なしか言葉の端々にいやなものが感じられます。「なぁ藤本さん。出したらしまうし、いるものはちゃんとしまうところにしまうんだよな?いらないものは、適切に処分して、それから次のことをやるんだったよな?くっくっく。」

 私は、ダークサイドFモト氏とは、なんだか心を通わせるわけにはいかないような気がしてきたのでした。つづく。


3 本棚を探して/「りんごの棚」

 音訳・音声ガイド担当の橋口です。2024年最後の本棚のコーナーですね。何を書くかいろいろと悩みましたが、今回は「りんごの棚」について書いてみます。

 りんごの棚は、1993年にスウェーデンの図書館ではじまった「特別なニーズのある子どもたちのための資料を展示した棚」のことを言います。世界各地の公共図書館で広がっている取り組みで、すべての子どもに読書の楽しさを伝えることを目的としています。

 では、具体的にどのような本が並べられているのでしょうか。じつは皆様おなじみの点字図書、録音図書(音声デイジー)をはじめ、大活字本やマルチメディアデイジー、さらに布の絵本のようなさわって楽しむ本に、LLブック(わかりやすい文章に図やピクトグラムなどを用いて理解を促進するような工夫がされた本)などが含まれます。

 2019年に読書バリアフリー法が施行され、2023年に市川沙央さんの「ハンチバック」が芥川賞を受賞すると、読書のバリアに対する世の中の関心は高まりました(とくに出版業界の方々にとって、市川さんの存在は大きかったようです)。出版社によっては、買った本人が本に載っているQRコードなどから申請すると、テキストデータの提供を受けることができるなど、印刷された文字を読むことができない利用者を意識した取り組みを進めています。また公共図書館でも、大活字本などを所蔵する館が増えてきました。

 世の中の「読書」は個々の特性を受け入れ多様化しています。私たちのセンターでも、利用者の皆様の読書の選択肢が増えるような点字図書・録音図書「以外」の図書に触れる機会を作っていけたらいいなと思っています。

 新年を前にして少しフライング気味ではありますがそんな抱負を、2024年を締めるご挨拶とともにしたため、筆をおこうと思います。皆様、どうぞ良い年をお迎えください。


4 編集後記

 センターまつりには200名を超える方々にお越しいただきました。ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。昨年は早々に売り切れたパンの販売は、出店業者を増やして対応しましたが、皆様に行き届いたでしょうか。
 年内のイベントがすべて終わって年末モードの日曜日、この原稿を書いています。来年も皆様に喜んでいただけるような企画をご用意して、センター職員一同、お待ちしております。

メールマガジン『アイeye』 編集委員 浦野盛光


発行:川崎市視覚障害者情報文化センター(川崎アイeyeセンター)
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