2024年6月10日 発行
発行責任者 杉山雅章
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7月は「三木鶏郎と冗談音楽」をお届けします。
東大法学部出身ながら、戦後の自由な雰囲気の中で音楽家として人気を得た三木鶏郎。やがてラジオ番組「日曜娯楽版」の構成作家、脚本家としても活躍し、テレビ放送が始まってからは数々のCMソングやアニメ主題歌を生み出した大ヒットメーカーです。聞けば思い出す懐かしいメロディ。藤山一郎、灰田勝彦、中村メイコらの明るく元気な歌声と、痛烈な世相風刺を笑いで包んだ「冗談音楽」の数々をお楽しみください。
4月に入職しましたiPhoneとパソコン訓練担当の田中功一(たなか こういち)と申します。
私は全盲の中途視覚障害者です。今から9年ほど前、病気により左目を失明しました。右目はメガネをかければ車の運転もできる状態でしたので、特に仕事や私生活で不便に思うことは少なく生活を送っていました。ところが3年ほど前、右目の視力と視野が徐々に落ちてきてしまい、1年半ほど前にとうとう失明してしまいました。この3年前から失明するまでの期間はとても辛く、通勤時に人込みの多いところを歩くと、ほぼ毎回人とぶつかったり、電車やバスで順番待ちしている人がわからず、割り込みしたと勘違いされトラブルになったりして毎日イライラしていました。また、将来自分がどのような生活を送るのか、妻や子どもたちにも苦しい胸の内を話すことができず、一人で苦しんでいました。
ちょうど全盲になる直前、主治医から白杖を持つことを勧められ、川崎アイeyeセンターとつながりました。初めて白杖を持った時、自分では薄々分かっていたことですが、ついに障害者になったんだなと大きなショックを受けたのを今でも覚えています。最初に歩行訓練を受けたのですが、自宅から数メートル先にあるコンビニへ行くにも迷子になっていたのが懐かしいです。
白杖を使う前は、よく人とぶつかることがあったり、色々なトラブルが多くありましたが、白杖を使い始めてから人とぶつかることが減り、「どちらまで行きますか?」「何かお手伝いしましょうか?」などと声をかけてくれることが多くなりました。介助を受けている最中は色々な話をしますが、その一つ一つの出会いがいつしか私の心にあった(白杖はみっともない)という感情がなくなり、(白杖は人の善意にふれ、自分も介助者もあたたかな心になれる魔法の杖)という考え方になっていました。
また、白杖と出会った2週間後にセンターに来所し、ボイスオーバー(スクリーンリーダー)を自分のiPhoneに設定してもらいました。その後、画面上のテキストを読み上げてくれるパソコンのスクリーンリーダーを教えてもらいました。全盲直後の私は未来を想像することが全くできませんでしたが、これら訓練や情報提供を受けて、私の未来に希望の光が見えました。
私が経験したことは、次回からの「訓練担当コラム」でお伝えする予定です。お役に立てれば幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
訓練担当の石川です。
今回は、iPhoneを外付けのキーボードで操作することができるというお話です。ボタンが何もない画面をタッチで操作することがどうも苦手だという方は、お考えになってみてはいかがでしょう。
私が使用しているのは、折り畳み式の小型キーボードです。iPhoneとブルートゥース(無線でつなぐ)を接続し、パソコンのようにキーボードで文字入力やアプリの選択など操作ができます。iPhoneとキーボードが近くにあれば、物理的につながっていなくても使えますし、通常のiPhoneの画面操作も可能です。
接続も簡単です。キーボードは購入後充電し、電源を入れます。iPhoneは、「設定」の中にあるブルートゥースを開き、画面を進めていくと、キーボードの製品名が出てくるのでそれを選択すると接続できます。キーボードによっては、電源を入れた後、説明書に書かれている通り、ボタンを押すなどの操作が必要なものもあります。不安な場合は、周囲の人にサポートしてもらいながら行うのもよいでしょう。
一度接続すれば、解除操作をしない限り、接続が切れることはほとんどありません。iPhoneとキーボードをつながずに使いたいときには、キーボードの電源を切ります。
私の場合、普段はiPhoneを画面タッチで直接操作していますが、メールやSNSなど長文を書くときにはキーボードを使って書いており、画面タッチで入力するよりかなり早いです。
キーボードは家電量販店で市販されており、特別なものではありません。値段は、数千円のものから1万円を超えるものまで様々です。お買い求めの際には、店頭で直接手に触れて、使いやすいものを選ばれるのがよいかと思います。関心がある方は、お試しいただければ幸いです。
昨年12月に発行した本誌200号記念号外は、「読者の皆様の声を伺ってみよう」と企画を立て、読者9名の方がお声を寄せていただきました。おかげさまで好評で、なにより私たち編集委員が勇気づけられたのです。直接お声をいただけるのは一番の励みになります。
そこで今回、「読者の声」企画を立ち上げました。このコーナーが定着するかどうかは、読者の皆様次第。投稿をお待ちしております。視覚障害の有無は問いません。どなたでも投稿いただけます。
初回のテーマは、「私のおすすめスポット(川崎市内)」です。以下の項目をお書きの上、6月29日(土曜日)までにメールにて投稿ください。メールを書くのが苦手な方は、お電話でも受け付けております。いただいた投稿は、7月10日号に掲載予定です。
皆様の投稿を心よりお待ちしております。
事情により、本号は澤村と浦野の2名で編集をおこないました。配信に間に合って、ホッとしているところです。
本誌では、「読者の声」コーナーを始めます。川崎のおすすめスポットをぜひ教えてください。楽しみにお待ちしています。
メールマガジン『アイeye』 編集委員 澤村実希
発行:川崎市視覚障害者情報文化センター(川崎アイeyeセンター)
住所:郵便番号 210‐0026 川崎市川崎区堤根34番地15
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ファクス :044-222-8105
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