2024年4月25日 発行
発行責任者 杉山雅章
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5月は、アメリカ映画「依頼人」を上映いたします。
通常の読書会に新たな楽しみを加えて開催しております「小説を楽しむ会」。今回は、森下典子著『日日是好日』をテーマに、「小説の中の形を楽しむ会」を開催します。
『日日是好日』は、著者による自伝エッセイです。このエッセイには、お茶を通して見えてくるさまざまな幸せの形が綴られています。
このイベントでは、テーマ図書に関連する様々なものの形を体感しながら、人生に悩む著者の気持ちをデイジー図書で聞き、より深く読書を楽しんでみます。個人で読んだときには気づかなかった視点から作品を見ることができ、色々な感想に触れることができます。テーマ図書については、読了しているかどうかは問いません。
会場では、お茶室の模型やお茶道具に触れていただく予定です。
どなたでも楽しんでいただける催しですので、お気軽にご参加ください。
内容:週に一回、「お茶」の稽古に通ううち、気がつけばもう25年。失恋、父の死、コンプレックス…、辛い季節を「お茶」とともに乗り越えた成長ヒストリー。厳格な約束事に縛られた窮屈な茶道の中にある、大きな自由とは?著者の自伝的エッセイ。
※今年度2回目の「小説の中の形を楽しむ会」は、来年1月11日の予定でしたが、2月8日に変更になりました。ご了承ください。
貸し出しの藤本です。新年度となってしばらく経ちますが、新たな一年に向けて動き始めた暮らしがようやく馴染み始めたといった頃合いでしょうか。先日も我が家ではこんなやりとりがなされたのでございます。
娘「今日、学校で今年度初めての委員会が開かれたんだよ。」
妻「へー、あなたは何にしたんだっけ?」
娘「給食委員だよ。だからまた、青い白衣を持ち帰ってくることになると思うー。」
私「なんですと?」
あらかじめお断りしておくのですが、ここからの話は現実的には特段問題にならないので、そういう頭の体操も楽しそうですね、くらいで聞いてください。そして、私が引っかかったこととは、そう、青い白衣、青い白衣、青い白衣(エコーがかかる)。
白衣とは、白き衣で、白衣なんでしょう?青い白衣って何ですか。青いんですか白いんですか。それを認めるならば、赤い白猫、四角い丸、紙製のビニール袋だってOKになってしまうではないですかー!と、私は世界の終わりが来るかのように騒ぎ立てたのであります。(ところで、白い衣で白衣なら、青い衣は、「あおい」なんでしょうかね?「せいい」とか言うのでしょうか?)
実際には、わからなくもないのです。他の白衣と同じように、びろーんと長いロングコートみたいな形をしていて、真っ白なんじゃなくて少し水色がかった薄手の生地でできているのでしょうね。なるほど、そういうものがあるというのはわかるのですが、では白衣という名称がそもそもモノの名前として破綻しているようにも思われます。それならいっそのこと、「目的別衛生的膝丈薄手簡易防護服」などとしてみればよいでしょうか。長すぎるし、くどすぎますね。長くてくどいと、人間どうでもよくなってきますね。私の話のようです。
私がああでもないこうでもない、これならどうか、いやいや待てよなどと言っている間に、娘は席をたってゲームをしはじめ、妻は洗濯物を干し始めました。そして、まだブツブツ言う私に、「そんなに気になるなら、『青っぽい白衣』でいいんじゃない?」と妻が一言。おぉ、「ぽい」がくっつくだけで、青と白がぶつかることはなくなり、あくまで白衣であるが青みがかっているニュアンスが出てきた感じがしてきます。そうか、青っぽい白衣。いかにもそれっぽい。この話もどうやらここで終わりっぽいです。
貸し出しの庄司です。4月10日に、2024年の本屋大賞が発表されました。この賞にノミネートされた作品は、とにかく外れがなくどの作品も面白い!ともっぱらの噂です。芥川賞や直木賞と違って、ノミネートされた時点ですでに本が出版されており、受賞を聞いた時点ですぐに読めるのも大きな魅力です。それでは今年の本屋大賞の第1位から第3位の作品をご紹介します。
内容:中学2年の夏休み、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。コロナ禍、閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るという。さらには若手漫才師を決める大会に挑戦し、自身の髪で長期実験に取り組み、市民憲章は暗記して全うする。今日も全力で我が道を突き進む成瀬あかりから、きっと誰もが目を離せない。圧巻のデビュー作。
内容:親から逃れ、2人で生きることにした姉妹は、辿り着いた町で喋る鳥と出会う。支え合う人々の40年を通して描く、希望と再生の物語。第53回(2023年)谷崎潤一郎賞受賞。
内容:30年前に発生した誘拐事件。新聞記者の男は、被害にあった男児の「今」を知る。事件の真実を求め、再取材を重ねた結果、ある画家の存在が浮上する。
面白い小説を一つ書くのも大変だろうと思うのですが、それを書き続けるのは至難の業です。今回で21回目となる本屋大賞ですが、作家の伊坂幸太郎さんはなんと13作品もノミネートされています。次にノミネートが多いのは森見登美彦さんの6作ですから、伊坂さんがいかにすごいかわかります。また、得票数が最も多かったのは2018年の『かがみの孤城』で651点。2位が283.5点ですから2倍以上の得点で大賞を受賞しました。こんなに書店員の共感を集めた『かがみの孤城』ですが、直木賞などメジャーな文学賞はとっていません。書店員はサービス精神が旺盛な故に、直木賞や芥川賞などを受賞した作品については「この作品は自分が押さなくても売れるだろう」と思い、本屋大賞には別作品を押しがちなんだそうです。面白いですね。
本屋大賞には「翻訳小説部門」や「発掘部門」もあって、毎年話題になります。映画化される作品も多く、楽しみが続きます。
いつも定時運行の我が家の最寄路線。4月になってから常に数分遅れています。おかげで職場に着くのがぎりぎり。同僚から「浦野さんが来たからもう40分だね」と言われる始末(私たちの始業時間は8時45分です)。
早く定時運行に戻るのを願う毎日です。(早く家を出なさい、という声は聞こえなかったことにします。)
まもなく連休ですね。センターは5月1日(水曜日)のみ開館し、4月29日・30日、5月2日から6日まで休館いたします。図書などのご希望はお早めに。
メールマガジン『アイeye』 編集委員 浦野盛光
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