2024年3月25日 発行
発行責任者 杉山雅章
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4月は、日本映画「舟を編む」を上映いたします。本作は、シネマ・デイジーの製作はありません。
センター長の杉山です。20数年ほど前になりますが、燻製料理を作ったことがあります。当時はアウトドアブームで、アウトドアショップに様々なキャンプ用品が並んでいました。その中に、5センチ角、長さ30センチのスモークウッドという棒状のものを見つけました。説明書を見ると簡単に燻製が作れそうです。早速購入しました。段ボール箱に、チーズ、はんぺん、ゆで卵、ウィンナーソーセージなどをひもでぶら下げ、箱を石のブロックに載せ、下にスモークウッドを置き、一遍に火をつけると煙が出てきます。お線香のようなイメージです。後は1時間ほど放っておくだけ。独特の香りと旨みを味わうことができ、妻も子供も喜んで食べます。
もっと色々なものを試してみたくなり、一斗缶をもらってきて、自家製スモーカーを作成。スモークウッドはお値段がちょっと高いので、スモークチップという木片を電熱器で熱をかける方式に変更。30分おきにチップを追加する手間はありますが、サケの半身、ローストチキンなど、おいしく仕上がります。男の子3人なので、すぐに食べきってしまいます。更に一斗缶を2段にして、生産能力を2倍にアップ。
勢いにのりロースハムつくりに挑戦することに。豚のロースを1キロほど購入するので高価です。失敗はできません。ニンニクなどの香味野菜、スパイス、塩、しょうゆを加えた液体に1週間ほどつけ、半日ほど流水につけて塩抜きし、一日陰干しして、スモーカーに数時間いれます。大変な労力と費用をかけた一品です。さて、そのお味は…。「ウッ、すごいニンニク臭!」あまりの匂いに、家族のだれも手を付けません。何でも食べる食欲旺盛な小学生の息子さえ、「これは無理」と言って食べません。妻からは「捨てるなんて許しません」の一言。そこで私が毎朝、一人、この激ニンニク臭ロースハムを食べ続けることに。数週間の苦行でしたが、私の心はくじけません。リベンジにもう一度挑戦することに。説明書をよく確認し再度作ってみましたが、やはり強いニンニク臭。
「説明書通りにやっているのに」と妻に相談してみたところ、原因がわかりました。ニンニク4分の1片とあるのを、丸ごと一個の4分の1を入れたためでした。道理でにんにく臭いわけです。たまにしか料理をしないワイルドな男には、1片などという小さい単位が理解できないのです。この2回目の苦行をしている最中、子供たちも燻製料理にそろそろ飽きてきたようで、「何でわざわざ煙の中に入れるの?」という発言が…。これが一撃になり、苦行を終える頃には私からすっかり燻製ブームは去り、その後作ることはなくなりました。
点訳担当の浦野です。当センターでは、点訳者養成講座と音訳者養成講座を隔年で交互に開催しています。今年度は音訳者養成講座の年ですので、点訳者養成講座はありません。
しかし、点訳者養成の業務がまったくないわけではないのです。今年度は講座修了者のフォローアップの年と位置付けられており、1タイトル目の点訳支援を行います。
今回は、「新人点訳者」が点訳した図書4タイトルを紹介します。そのうち2タイトルは、他館でデイジーの製作がありますので、その情報も加えています。
内容:気がついたらいつのまにかホームレスになっていた66歳の十和子さん。彼女をなんとか助けようと孤軍奮闘する公務員の永山くんだが…。日ごと酷さを増す社会のひずみに陥る普通の人々の実相を、元公務員作家が巧みなフィクションで描く。
内容:愛猫を見送り、27年間住んだ、一人暮らしには大きすぎる部屋をいよいよ離れることにする。〈終活〉の第一歩、身軽な生活を手にするための引っ越しエッセイ。
内容:シングルマザーとして奮闘してきたカヤノは、70代の今、都会から移住した「サ高住」で気ままに暮らしていた。個性的な住人たちとのやりとり、娘や息子との関係、予期せぬトラブル、ときめく出会い。風光明媚な丘陵地の「サ高住」を舞台に、いまどきシニアの日常生活を軽妙なタッチで描いた物語。
内容:自分の目で見て、自分の耳で聞いたこと以外のあやふやな話は絶対に信じない。17歳で初めて体験したことは、少しだけ少女を大人にした。昭和30年代の多感な高校時代を描いた、ノスタルジック・ストーリー。
引き続き、浦野です。皆様は「テレビ・デイジー」をご存じでしょうか。NHKの音声解説付きのテレビ音源を、日本点字図書館がデイジー編集したものです。ドラマ、演芸、ドキュメンタリーなど、いろいろなジャンルの番組がデイジー化されています。当センターで所蔵しておりますので、市内の方には直接貸し出し可能です。市外の方は、日本点字図書館にお申し込みください。
今回は、庄司・浦野がおすすめするドラマ6作品を紹介いたします。
内容:走ることだけが得意な16歳の女子高生が戦国時代にタイムスリップ。一目惚れした若君を守るため、足軽として戦場を駆け抜ける。森本梢子著の漫画をドラマ化したエンターテインメント時代劇。全12回を収録。
内容:「大都市・江戸」を作り上げた徳川家康を描いた、門井慶喜著の同名小説をドラマ化。上水の整備を命じられた大久保藤五郎を描いた前編と、金貨の「小判」作りを命じられた橋本庄三郎を描いた後編を収録。
内容:幼いころから筋金入りの科学好きな青年。大学に入ってからも恋愛に無関心だった彼が、ある日、学生食堂のお姉さんに恋をした。一風変わった恋の努力を描くラブコメディ。蛇蔵著の同名漫画をドラマ化。全8回を収録。
内容:警視庁の庶務係で働く女性職員は、事件に対する嗅覚が極めて鋭い。捜査一課の刑事や腹黒弁護士を利用し、彼女は事件の真相に近づいていく。「スリル! 黒の章」と物語が連動するドラマ。全4回を収録。
内容:割りの良い仕事を求めては、一銭にもならないことに振り回される腹黒弁護士。捜査一課刑事と、警視庁庶務係の女性職員と関わりつつ、怪事件を巻き起こす。「スリル! 赤の章」と物語が連動するドラマ。全4回を収録。
内容:業の闇に飲み込まれていくやり手商社マン、若い巡査の殉職の謎、美しき下宿屋の女将が守りたかったもの…。米澤穂信著のミステリー小説『満願』所収の短編3編をドラマ化。全3夜を収録。
このほかに、落語・講談などを収録した『日本の話芸』も人気です。ご希望は貸し出し担当まで。
サピエ停止のこの期間、2回連続で「読書応援企画」を掲載いたしました。サピエ再開は27日。あと数日お待ちください。
メールマガジン『アイeye』 編集委員 浦野盛光
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