川崎アイeyeセンター
メールマガジン『アイeye』

第202号

2023年12月25日 発行
発行責任者 杉山雅章


目次

目次ここまで


1 ニュース&トピックス

(1) 「音声解説付きDVD映画の体験上映会」のご案内

 2024年1月は、日本映画「わたしは光をにぎっている」を上映いたします。

日時
2024年1月26日(金曜日)・27日(土曜日)13時30分から(1時間36分)
定員
30名・予約制
作品情報
宮川澪は祖母と小さな民宿を切り盛りしていたが、祖母が入院してしまったため民宿をたたまざるを得なくなる。上京し、父親の親友の京介が営む銭湯に居候しながら仕事を探すものの、引っ込み思案な性格が災いし難航してしまう。祖母の「目の前のできることから、ひとつずつ」という言葉を励みに銭湯を手伝ううちに、常連客との交流も生まれ、都会の生活に喜びを見出すようになる。ところがある日、区画整理のために銭湯が閉店されることを知り、澪はある決意をする。
監督
中川 龍太郎
出演
松本 穂香、渡辺 大知、徳永 えり、吉村 界人 ほか

(2) かわさき冬のコンサートのご案内

 今回の冬のコンサートは、世界的ヴァイオリニストである和波たかよしさんをお迎えして、極上の演奏とともに語りも楽しんでいただく時間をお届けいたします。
 和波さんは1945年東京生まれ。生来の全盲で、4歳からヴァイオリンを始めました。桐朋学園大学音楽学部在学中で20歳を迎えた1965年、パリのロン=ティボー国際音楽コンクール第4位、特別賞を受賞し、ヴァイオリニストとしての地位を確かなものとしました。
 今回はパートナーであるピアニスト土屋美寧子さんもお迎えし、肌寒い2月でもあたたかく親しみやすい楽曲と高い技術による上質な時間をお楽しみいただきます。

日時
2024年2月10日(土曜日)13時開場 13時30分開演(15時30分終演予定)
出演
和波 たかよし・土屋 美寧子
会場
ふれあいプラザかわさき2階ホール
参加費
無料
定員
70名・予約制(全席指定)
☆定員を超えた場合は抽選
申込締切
2024年1月27日(土曜日)17時まで

2 スタッフルームから/「コメの名前」

 貸し出し藤本です。突然ですが、皆様は、国内にある様々なお米の名前、ご存知ですか?ササニシキ、コシヒカリくらいは、日本人ならみな知っていると言ってもそう強引ではないでしょう。あきたこまち、こしいぶきなんていうのも、スーパーによってはよく見かけます。自分が毎日食べている銘柄ならなんとなくでも知っていようものの、確認してみると実にいろいろな米の名前が全国各地にございまして、ふと調べているうちになんだか奇妙な気持ちになってきたのでございます。

 たとえば。「ミルキークイーン」!むむむ、おのれは本当に米なのか。果物かスイーツのようだ。「東北194号」!もはや雪国を駆け抜ける特急電車の名前だ。「だて正夢」!伊達政宗をもじったのはわかるし、宮城出身の米だなということもわかるんだけれど、なんで正夢にしてしまったのだ。「元気つくし」!ちょっと探せばそういう名前のデイサービスが見当たりそうだ。「森のくまさん」!それは歌だろう。くまさんに出会う歌だろうそれは。「くまさんの力」!くまさんと米ってそんなに何かあるんですか。熊本県のお米ということですか。「くまさんの力」それじゃ、ただの腕力でしょうに。お米にはランクというものがあるようですが、「くまさんの力」のランクは最上級である特A。めっぽう強いときた。「くまさんの輝き」ついに、光り出したくまさん。米粒の照りや輝きは理解できるけれど、名前にくまさんと頭についたせいで、腕力の強い熊が光っているようにしか思えません。

 お米の名前も、考えるときにはさぞ大変なことなのでしょう。別な商標と重なってはならないし、せっかく考えてもなんだか力士のようになってしまってイメージと違うなと思ったり、はたまた産地や親となった銘柄になぞらえてみても、どうも似たり寄ったりな名前でインパクトに欠けたり。さまざまな苦悩を経てつけられたお米の名前を、あまり好き勝手にああだこうだと言うものではないなと反省もしますが、しかし、くまさんかー、と思わずにはいられません。

 なお、今回取り上げたお米のいずれも、藤本は食したことがないのです。どんな味がするのでしょうか。いえ、それどころかスーパーで見かけたことすらないのです。もしも見つけたかたがおられれば、こっそり私に教えてください。試すのなら、10キロではなく極力小ぶりなサイズがあるとありがたい限りですけれども。


3 本棚を探して/「触図作っちゃいました」

 点訳担当の浦野です。皆様は「触図」という言葉を聞いたことがありますか。「触る」「図」と書いて「触図」。つまり、触ってわかる図ということですね。
 点字図書に触図を挟み込むときは、原本の地図、グラフなどを表すために使います。以前は手作りで触図を作成していました。点字用紙に糸や触感の違う紙を貼り付けて、地図やグラフなどを作るのです。しかし、現在ではパソコンで図を書き、それを点字プリンタで出力するという方法が主流になりました。
 触図が使えるのが点字図書の利点の一つといえるかもしれませんが、触図が苦手な点字使用者も多いのが現状です。そこで、触図の使用は最小限に留めるのが一般的なのですが、年に数タイトルは触図入りの図書を製作しています。今回は、触図を作った図書を紹介します。

■『ピザ宅配探偵の事件簿』猫森 夏希 著
 点字4巻 デイジー7時間16分

内容
宅配ピザの常連客が強盗に殺され、容疑者の元配達員も死んだ。盗まれた金品はどこにいった?行く先々で事件に遭遇するピザ配達員が、美味しいピザと共に華麗な推理を披露する連作短編集。
コメント
原本には事件現場の見取り図が掲載されていました。本文の内容を読むだけでもある程度理解できるため、このような図は省略することが多いのですが、今回はあえて作成してみました。触図が理解できれば、現場の状況をより深く理解できるかもしれません。

■『遠い唇』北村 薫 著
 点字3巻 デイジー3時間58分

内容
コーヒーの香りとともに蘇る、学生時代の思い出とほろ苦い暗号。いまは亡き夫が、俳句と和菓子に隠した想い。同棲中の彼氏の、いつも通りではない行動…。ミステリの巨人が贈る、極上の謎解き全7篇を収録。
コメント
暗号がマークで表されていました。マークを言葉で説明することもできますが、触図で表してみました。謎解きをより楽しんでいただけると思います。

4 センターまつり「あしらせ」体験記

 訓練担当、おおごだです。センターまつりで、「あしらせ」という視覚障害者向け移動支援機器を体験してきました。

 あしらせとは、靴の中に入れた機器が振動して、進む方向や目的地の方角を知らせてくれるデバイスです。設定や目的地の指定はスマートホンのアプリで行いますが、歩いているときにはスマホは必要ありません。聴力を周囲の音に集中させられるので画期的だな、と以前から気になっていました。

 いざ、体験会場へ!

 まずは、自分の靴にあしらせをセットしてもらいました。履いてみると、足の外側に機器が当たっているのはわかるけど、歩くのに違和感はありません。足の甲、側面、かかとの3か所に振動する部分があり、その振動の場所や長さで進む方向や距離を知らせてくれます。右に曲がるには右が、正面なら足の甲が、目的地が後ろならかかとが、という具合です。

 立っていると振動をしっかり感じることができました。私は振動が続く感覚が苦手なのですが、振動の強さは設定で変更できるそうです。

 機器を触ってみると、靴に入れる部分はシリコンのような素材でできており、色々なサイズの靴にフィットするようになっていました。滑り止めがあり、歩いてもずれません。日常防水になっているそうで雨の日でも問題なく使えます。

 今回初めて体験しましたが、足の甲やかかとに意識を向けるのは面白い感覚でした。足の裏の感覚を感じながらどのくらい甲やかかとの振動も意識できるのか、また歩いているときに振動を感じたらすぐに気づけるのか、実際に目的地を設定して歩いてみないとわかりませんが、周囲の騒音に左右されないこと、右・左が感覚的にわかりやすいことはとてもいいな、と思っています。外で試す機会があれば、ぜひチャレンジしてみたいです。


5 編集後記

 センターまつりに多くのご来場をいただき、ありがとうございました。
 今号が本年最後のメルマガです。良いお年をお迎えください。

メールマガジン『アイeye』 編集委員 浦野盛光


発行:川崎市視覚障害者情報文化センター(川崎アイeyeセンター)
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メールマガジンは ここまでで終わりです。


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