川崎アイeyeセンター
メールマガジン『アイeye』

第173号

2022年10月10日 発行
発行責任者 杉山雅章


目次

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1 ニュース&トピックス

(1) 11月5日「れきおんクラブ」のお知らせ

 国会図書館配信のSPレコードの音源をお楽しみいただく特別企画「れきおんクラブ」第37回のテーマは、「哀愁の歌謡ブルース 淡谷のり子とムード歌謡の代表曲」です。
 日本歌謡曲の黎明期にあって、クラシックから転身し、洋楽の歌手として時代を切り開いた淡谷のり子。そして生まれた日本独特のムード歌謡の成り立ちまでを、貴重な音源からたどります。淡谷のり子から高峰三枝子、鶴田浩二ら哀愁の名曲の数々をお楽しみください。

日時
11月5日(土曜日)14時から16時まで
定員
20名・予約制

(2) コンサートご招待のお知らせ

 第28回国際親善交流特別演奏会のご招待チケットをいただきました。

日時
10月28日(金曜日)13時30分開場、14時開演、15時終了予定
場所
横浜ラポール・ラポールシアター(新横浜駅から無料送迎バスあり)
演奏者
クリスティアン・アガピエ(ルーマニア・ピアノ)
おもな演奏曲目
ショパンの子犬のワルツ、華麗なる大円舞曲など
申込締切
10月21日(金曜日)17時、センターまで

 先着32名様になりますので、なるべく早めにお申し込みください。


2 スタッフルームから/「その1秒で蹴り上げろ!」

 風に香る金木犀が切なく感じる秋本番、いかがお過ごしでしょうか?音声ガイド担当の橋口です。

 さて昨日、私が音声ガイドを手がけたシネマ・デイジー「ジョジョ・ラビット」が完成しました。せっかくなので今回は、作品を自ら解説するという、どこぞかの映画監督がやりそうなことを真似してみることにします(うわ、恥ずかしい!)。

 舞台は第2次世界大戦下のドイツ。ヒトラーに憧れる心優しくもヘタレな少年ジョジョと、ユダヤ人の少女エルサが心を通わせていく様子が、母ロージーの愛を交えて描かれます。ジャンルはコメディですが、このコメディというのが曲者。音声ガイドの大原則にセリフに重ねるのはタブーというのがありますが、コメディはテンポが速くセリフが多いため難易度が上がるのです。

 エピソードを、ひとつご紹介しましょう。会心のガイド、「股間に膝蹴り」誕生秘話です。…えっと、なんだかゴメンナサイ。でも、マジメな話です。

 まず、場面の説明から。訓練中にジョジョが手榴弾で自爆してしまい、怒りに燃えるロージーが事務所に乗り込み、監督のキャプテンKの股間に蹴りを入れます。ガイドを差し込める時間は実測たったの1秒!え、無理。何も入らんでしょ、これ。唯一犠牲にできるのは「中年オヤジの呻き声」だけ。いや、これは絶対いかさないといけない!しかし、ガイドがないと何をされたのかがわからない。「膝蹴り」が出てこなくて苦しみました。

 仕事帰りの電車の中のことです。うとうとしていると、「股間に膝蹴り」というフレーズが稲妻のごとく閃きました。ガバッと顔を上げ、「そうだよ、股間に膝蹴りだ!」みたいなことをブツブツ言いながら、スマホにメモした記憶があります。しかしながら、冷静に考えると、公共交通機関での出来事。よく通報されなかったなぁ、自分。

 こうしたことは音声ガイドあるある話で、さまざまな迷走の末にサピエにまたひとつ産声が上がりました。ここまで苦楽をともにすると、本当にわが子のようですね。巣立った姿を見て、胸にぽっかり穴が空いたような気分になってしまうのはどうしてでしょう。

 ジョジョと過ごした数か月、彼がエルサに手紙を書くように、職場で、電車の中で、布団の中で、誰かの心に届きますようにとガイドを書き続けました。それは、とても苦しくも濃密な時間でした。ありがとう、ジョジョ。自慢の息子が多くの皆様に愛されますように。


3 訓練担当コラム/「マイサポートを使おう!」

 パソコンの画面読み上げソフトPC-Talkerをお使いの皆様、マイサポートを活用していますか?これは、PC-Talkerをインストールしたパソコンに入っている高知システム開発のサポートソフトウェアです。高知からのお知らせや購入済みのソフトのマニュアルを見たり、ソフトのダウンロードやアップデート、パソコンの設定変更もできます。

 マイサポートの操作は簡単!上下矢印キーで項目を移動、エンターキーで選んだ項目の中に入ります。項目から抜け出すときはエスケープキー。ソフトの使い方が知りたいと思ったら、ソフト名でエンターキーを押してマニュアルを読みましょう。例えば「PC-Talker」でエンターキーを押すと、「1 初めに」「2 ライセンスとセットアップ」などの項目が出てきます。読みたい項目を選んでエンターキーを押します。

 またマイブックなどが今までのように使えなくなった、というときも、マイサポートでソフトを最新版に更新することで解決することがあります。「ツール」の中の「最新版のチェック」と読み上げるところでエンターキーを押すと、更新できるソフトが一覧表示されます。ソフトを選んでエンターキーを押すと、更新プログラムが起動します。後はガイドに従って操作してください。パソコンの再起動を求められることがあるので、他の操作が一段落してから行いましょう。

 お知らせを受け取ったり、ソフトを更新したりするにはパソコンがインターネットにつながっている必要があります。また、古いバージョンのソフトをお使いの方は、最新版への更新ができないことがあります。ご注意ください。【高木】


4 「こんにちは、オブリガードです」/「水車の会」

 新企画がスタートしました。「オブリガード」加盟のボランティアグループの活動を紹介してまいります。
 「オブリガード」は川崎市視覚障害者ボランティア連絡会の愛称です。録音・点訳・拡大写本・パソコンサポートなどのグループがあり、川崎市内で暮らしている視覚障害者のニーズに迅速かつ的確に応えることを目指して、長きに渡り地域で活動されています。
 初回は、「水車の会」から原稿を寄せていただきました。グループへの問い合わせや連絡を希望される方は、当センターまでご相談ください。

水車の会より

 「水車の会」です。創設58年目で朗読のグループの老舗。
 利用者の方は、川崎市のみならず各地にいらっしゃいます。
 定期刊行物は3種類。まず、ラジオ番組を凝縮したような隔月刊の「えつらん室」。ここにはおすすめブック、そしてビストロ閲覧室、川崎の紹介など。
 月刊での発行は、「音のしおり」と「情報ポケット水車」の2つです。「音のしおり」は本屋さんで立ち読みをする感覚をお届けできるよう、新刊書を中心に本文の一部朗読を入れて作者の息遣いを感じていただきます。もう一つの「情報ポケット水車」は、日刊紙7紙や地域だよりなどから、障害をお持ちの方を取り巻く記事や、日本の新しい技術、新しい医療、川崎および近隣の記事などを集めてお届けしています。
 このほか、選挙公報や委託で録音をしているものもあります。プライベートは時々難しい注文の依頼が入ります。その他の活動としては視障協さんの行事のお手伝いなどです。
 水車の会の会員は45人、コロナで活動が制限されていますが、定期刊行物を止めないよう頑張っています。


5 編集後記

 ここのところ値上げラッシュのニュースが続きます。川崎市バスも10月から大人運賃210円から220円になりました。臨港バスも来年3月に値上げする予定です。センターで取り扱っている用具も、毎週のように何かしら値上がり、心苦しい限りです。
 今号から、市内のボランティア団体「オブリガード」の紹介コーナーが始まりました。センターは、ボランティアさんの尊いお力に支えられています。これから約半年続きます。ボランティアさんにお声を届けますので、センターまで皆様からのメッセージをぜひお寄せください。

メールマガジン『アイeye』 編集委員 澤村実希


発行:川崎市視覚障害者情報文化センター(川崎アイeyeセンター)
住所:郵便番号 210‐0026  川崎市川崎区堤根34番地15
電話:044-222-1611
ファクス :044-222-8105
メールアドレス:kawasaki-icc@kawasaki-icc.jp
公式ウェブサイト:http://www.kawasaki-icc.jp/


メールマガジンは ここまでで終わりです。


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