2021年8月10日(火曜日)発行
発行責任者 杉山雅章
目次ここまで
緊急事態宣言の再発令を受け、センターでは対面で行っている用具の購入・修理および訓練などのサービス提供の可否を、ご利用になる方の緊急度や必要度に応じて判断させていただきます。詳しくは各担当にご相談ください。
なお、お電話での問い合わせ、図書の貸し出しについては、平常通り受け付けております。
8月13日(金曜日)から16日(月曜日)は、図書整理などのため休館とさせていただきます。前後は貸し出しのリクエストなどが集中しますので、ご希望の方は早めにご連絡ください。
(1)(2)ともに、皆様には大変なご不便をおかけしますが、ご理解とご協力のほど何とぞ宜しくお願い申し上げます。
担当の橋口です。久し振りに新作のご紹介です。
子どもの頃は、父の背中がとても大きく見えたものです。そして、父が働く姿は自分のことのように誇らしいものでもありました。そんな幼き日の記憶を呼び起こしてくれるのが、センターがこの夏にお届けする「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」です!!
その名の通り登場する料理も魅力的ですが、メインで描かれるのは親子愛です。
両親が離婚し、父のカールと離れて暮らすパーシー。2人の間に距離はあっても、パーシーはレストランの料理長として腕を振るう父を尊敬していました。ところが、ある日カールが料理評論家とトラブルを起こしてしまいSNSで大炎上、ついには職を失ってしまいます。そこで手を差し伸べたのが、カールの元妻でパーシーの母 イネズ。カールはフードトラックで移動販売を、そしてパーシーは助手として乗り込むことになります。父と息子のひと夏の物語が始まります!
ラテン・ミュージックにジャズ・サウンド、さらにヒップホップなどなど、ご機嫌なナンバーの数々が作品を盛り上げます。アメリカの郷土料理と吹き抜ける風をぜひご自宅で感じてみてください♪「帰ってきたぜ、マイアミ!アミーゴ!」
点訳担当の浦野です。
突然ですが、皆様は柳家小三治師匠をご存じでしょうか。落語ファンなら知らない人はいない、大御所中の大御所です。
思えば私が落語好きになったのも、小三治師匠の影響が大きかったように思います。子どもの頃、TBSのビアホール名人会など、ラジオから流れてくる小三治師匠の噺に魅了され、CDやカセットテープの音源を探し求めました。両親に独演会へ連れて行ってもらったのも良い思い出です。
そんな小三治師匠のCDボックスが、7月21日に発売されました。未公開音源を集めた20枚組。中にはこんなネタもやっていたの?というような演目もあり、発売情報を見た瞬間に購入を決めました。けっして安い買い物ではありませんが、私にとって大切な「たからもの」になりました。
そして、発売日の2日後、世間ではオリンピックの開会式に当たる7月23日、このCDボックスの発売記念落語会が開催されました。会場は有楽町よみうりホール。有楽町駅前のビックカメラの7階、行きなれた場所でもあり、全盲の私にも安心です。
ちょっと早めに到着した私、ホール隣のカフェでのんびりしていました。しかし、だんだんと違和感を感じ始めました。開場時刻を過ぎているのに、いやに静かなのです。不安になった私は、予定より早めに席を立ち、ホールに向かいました。
ホールの入り口は開いていませんでした。戸惑っている私に声をかけてくれたおじさんがいます。彼も私と同様、ホールが開いていないことに戸惑っていたのでした。改めてチケットを確認したら、会場は有楽町朝日ホールであることが判明。そう、よみうりホールではなく朝日ホールだったのです。どうしてこんな間違いをしてしまったのでしょうか。
そんなことはともかく、急いで朝日ホールに移動しなければなりません。開演まで20分弱です。おじさんは朝日ホールにぴんときていないようでしたが、私は2度ほど行ったことがあります。「マリオンの上ですよ」「駅の向こう側に行きましょう」「交通会館の近くですね」。そんな会話を交わしつつ、私たちは朝日ホールに向かいました。マリオンにはたどり着いたのですが、朝日ホールの表示を見つけられずもたもたしていると、ほかにも朝日ホールに向かう方が合流。3人でエレベータに乗りました。その方もよみうりホールに行ってしまったとか。
なんだか不思議な一体感を感じつつ(私だけだったかもしれませんが)、会場に到着しました。無事開演時間にも間に合いました。一緒に移動してくださった方に感謝です。単独の移動だったら、間に合っていたかどうか。
この日の会は最高でした。落語を2席聞いた後、小三治師匠とCDのプロデューサー京須さんの対談を聞きました。詳細は割愛しますが、興味深いエピソードが聞けました。そして、京須さんはまだ小三治師匠の音源を持っているそうです。ボックス第2弾が出たら嬉しいですね。
CDは少しずつ聞いていくつもりです。全部聞き終わったら、いったんこのボックスはしまわれてしまうのでしょう。そして、小三治師匠に会いたくなった時、私はこのボックスを取り出すのです。その時にはきっと今日のこの出来事も思い出すことでしょう。この思い出も私にとっては「たからもの」の一部です。そんなことを考えながら、帰りの電車に揺られました。
オリンピック2020東京大会が閉会しました。連日熱戦が続き、メダルラッシュに沸きましたね。
次はいよいよパラリンピックが開催されます。このメルマガが発行される頃は、夏真っ盛り。開催が危ぶまれる中、長く苦しい練習と努力を重ねてきた選手たちに拍手を送りたいです。
さて、今回はオリンピック・パラリンピックに関する図書やテレビ・デイジーのご紹介です。これまでの大会を復習してみたり、歴史について学んでみたりすれば、スポーツ観戦がもっと楽しめるかもしれませんよ。
ご希望の方は貸し出し担当までご連絡ください。
今号では、新作「シェフ」をご紹介しました。本当に完成してよかったです(笑)。
父に憧れていた少年は青年になり、いつしか大好きだった父と距離を置くようになる…というのも、あるある話です。その溝を埋めようと、かつて少年だった青年が歩み寄るのは、結婚して自分が父になった時、そして父が病に伏し最期の時を待つわずかに残された時間の中でした。
こちらは「シェフ」の話ではありません。ティム・バートン監督の「ビッグ・フィッシュ」、センターの後期製作タイトルです。ほら話が好きだった父は息子に何を伝えようとしたのか。指輪を飲み込んだ大魚が届ける父と子の愛の物語です。どうぞお楽しみに。
メールマガジン『アイeye』 編集委員 橋口講平
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