川崎アイeyeセンター
メールマガジン『アイeye』

第140号

2021年5月25日(火曜日)発行
発行責任者 杉山雅章


目次

目次ここまで


1 ニュース&トピックス

(1) 春のコンサート大盛況!

 5月15日に約1年ぶりとなるコンサートが開催されました。
 今回は「Quartet颯」(クァルテット ハヤテ)さんがサックスによる四重奏を演奏してくださいました。
 使用されたサックスは既に生産中止のものが多く貴重なもので、音に深い味わいがありました。またサックスの語源や作曲者のエピソードなど音楽以外でも多くのことを説明してくださいました。
 サックス特有の柔らかい音色と鮮やかな指使いと息遣いで紡がれる艶やかなハーモニーは、暖かで楽しい音楽の世界へと誘うかのようでした。また同じ楽器で構成されていると思えないほどに軽やかな音から重厚な音まで幅の広い音色が響き渡りました。
 曲目の中の「G線上のアリア」やアンコールでの「名探偵コナンのテーマ」「ルパン三世のテーマ」など親しみのある曲が演奏され、とても明るい空間となりました。

 なお、今回のコンサートはコロナ対策を徹底したうえで行われました。具体的には、完全予約制、定員を70名とし、受付での検温や手指消毒、飲食の禁止、空いた時間での手すりなどの消毒、客席の間隔を広げる、換気と空気清浄機の配置、休憩時間中のトイレを列ごとに区切り密にならないよう配慮するなどです。

 また、今回の曲目は「Quartet颯」さんのYouTubeチャンネルにて今後アップロードされるそうなので、ご興味がありましたら以下のURLにアクセスしてみてください(5月25日現在、まだアップロードされていません)。
 「クァルテット颯チャンネル」

(2) 視障協より 活動紹介パンフレット新版のご案内

 NPO川崎市視覚障害者福祉協会(視障協)が活動紹介パンフレットの新版を作成しました。
 パンフレットは「あなたの身の回りで目が不自由になり、見えにくくなって、困っている方はいませんか? 当協会は、そのような皆様のための団体です」と見出しをつけ、視覚による情報が得にくくなっている方に、視障協の活動を伝えてほしいと広く市民に呼びかけており、区役所などのほか、情報文化センターにもおいてあります。
 趣味・社会参加、スポーツ、会員交流、各支部活動、行政等への要望活動、音声情報誌、障害者の啓発等、視障協のさまざまな活動を写真入りで紹介しています。
 このパンフレットを通じて視障協の活動に理解を深め、多くの方が興味ある分野の活動を楽しんでほしいと思います。
 視障協へ参加することで、お互いのいろいろな経験談を聞く中、日頃の生活の工夫などのヒントも得られることでしょう。
 なお全文がPDFとテキストで視障協ホームページに掲載されています。

※編集委員より
 このパンフレットを送付希望の方は、当センターまでお問合せください。


2 スタッフルームから/「アンパンマンのつぶやき」

 こんにちは、橋口です。雨に濡れた新緑の艶やかさが眩しい5月、皆様いかがお過ごしでしょうか。
 新型コロナウイルスの感染が国内で確認されてから、一年半近くの歳月が流れました。早いものです。当初は抵抗を感じていた「濃厚接触者」という響きにも、すっかり慣れてしまいました。

 さて、前の職場で働いていた時の話です。職場結婚をした若夫婦が、赤ちゃんの顔を見せにきました。
 「抱っこしてみてくださいよ」と押し付けられ、『え、どう手を回せばいいの?』と動揺しつつも大人の余裕で隠し(おそらく隠せていなかったと思いますが)、なんとか抱っこしてみました。回した腕の位置が低かったせいで、すわっていない首がガクンと反って焦ったり、しっとりとした肌の質感と体温に驚かされたり、小さな命に感動しきりの数分間でした。
 腕の中の赤ちゃんといえば、私の顔を美味しいものでも発見したかのように見つめ、口を半開きにし、垂らしたよだれで私のシャツに四国地方の形の染みをつけてくれました。アンパンの顔をもつかの有名なヒーローも、このような視線を日常的に浴びているのでしょうか。

 パンデミックなんて予想だにしていなかった2019年末、某新聞の読者欄に「読者の声」が投稿されました。『私の赤ちゃんに勝手に触らないで』―、ネットやSNSなどで話題になったのでご存じの方もいるかもしれませんね。
 投稿者は30代前半のお母さんでした。ことの発端は、生後6か月の赤ちゃんと一緒に病院の待合室で待っていた時に、80代くらいの老婦人が「かわいいわね」と触ってきたことでした。免疫力の低い赤ちゃんは、感染のリスクと隣り合わせです。我が子を心配する親心が、「私の赤ちゃんに勝手に触らないで」という主張に繋がったのでした。
 これを読んだ時、少しばかりの寂しさと、なぜかシャツにできた四国地方の染みを思い出しました。

 そして、コロナウイルスの流行です。触れる行為について、考え直す機会になりました。ただ、誰かに触れるのにアルコール消毒が必要な現状は、やっぱり息苦しいものですね。慣れるのは、「濃厚接触者」というフレーズだけで充分です。
 早く平穏な日常が戻るよう祈っています。あと、私のシャツによだれの地図を描いた赤ちゃんが大きくなって、自分の歯でいろいろなものを食べることができますようにとも。外には、私の顔なんかよりも美味しいものがたくさんありますから。


3 カワサキ・用具の窓

 自宅で過ごす時間が増えた今、おうちでゲームはいかがでしょうか。今回は2種類のオセロを紹介します。

(1) オセロゲーム 3,810円

 磁石が入っているコマの黒い面はうず巻き状の凸線があって触るとざらざら、白い面は模様がなくてつるつるしているので、コマの表裏が触感でわかります。また、8×8の盤のマス目が凸線で仕切られガイドになっているので、局面の確認のために盤上のコマを手で触っていても、コマがマス目から移動しません。

(2) 大回転オセロ 3,460円

 このオセロは盤とコマが一体になっています。盤の1マスずつがくるくると回転するようになっていて、マスを回転させることによって黒のコマ(ざらざら)、白のコマ(つるつる)、盤面(コマがない状態)と変えられます。盤とコマが一体になっているので、ゲーム終了後もコマを収納する必要がなく、紛失することもありません。また、コマの位置がずれたりしないので、中断してそのまま置いておけます。コマの位置を把握しやすいように、盤面中央と縦4コマ、横4コマの位置に凸点がついています。


4 編集後記

 5月15日臨時号でお伝えしたとおり、65歳以上の方の新型コロナワクチン接種が始まります。対象の方には接種券が郵送されるということですので、郵便には注意しておいてくださいね。
 ボランティアさんなどセンター関係者からも、「ワクチン接種の予約をしました」「1回目の接種をしました」という声を聞くようになりました。街中でも同様の会話を耳にするようになりました。いよいよ新型コロナ終息に向けての第一歩というところでしょうか。
 行政のホームページなどによると、この後、基礎疾患のある方が対象になるということです。このメルマガ上でも、川崎市と連携しながら情報発信してまいりますが、皆様も行政からの案内に注意してください。
 ところで、国民全体にワクチンが行き渡り、元の暮らしを取り戻せるのはいつのことでしょうか。1億人以上がワクチンを接種することになりますね。そう考えていると、気が遠くなってきました。
 映画会やコンサート、センターまつりを満員でにぎやかに行える日がくるのを夢見つつ、今号はこの辺で。

メールマガジン『アイeye』 編集委員 浦野盛光


発行:川崎市視覚障害者情報文化センター(川崎アイeyeセンター)
住所:郵便番号 210‐0026  川崎市川崎区堤根34番地15
電話:044-222-1611
ファクス :044-222-8105
メールアドレス:kawasaki-icc@kawasaki-icc.jp
公式ウェブサイト:http://www.kawasaki-icc.jp/


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