2021年3月10日(水曜日)発行
発行責任者 杉山雅章
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春は変化の季節です。冬に葉を落とした木々の枝にはつぼみが散見され、少し先に訪れるであろう芽吹きの季節への高揚感を感じさせます。私たちにしてみても同じです。卒業・入学、就職・転職、そして退職に異動と、春はさまざまな変化を私たちにもたらします。
そして、センターにもその変化の便りが届きました。ここでは、4月から高田馬場にある日本点字図書館に異動することになった、ふたりの職員からのご挨拶をお届けします。
【ご挨拶】
短い期間でしたが、用具担当として、そして今年度からはパソコンサポートの担当としても、センターでの仕事に関わらせていただきました。
今年度、訓練などで利用者の方のご自宅へ訪問し、機器の説明をすることは私にとって新鮮でもあり、間違ってはいけないと緊張する場面でもありました。場合によっては説明書の確認などでお時間をいただいてしまうこともあったのですが、皆様、温かく見守っていただき、無事解決できた時にはホッとしました。
また、イベントでは「れきおんクラブ」に関わりました。ヨガやDVD上映に比べてこぢんまりとしたイベントですが、音楽や昭和初期の文化などに興味のある私にとっては楽しくできた仕事の一つでした。
川崎には、盲人図書館時代にイベントの見学で訪れたり、センター開所の際の引っ越し準備や手伝いに数回来ておりましたが、実際にこちらへ赴任して、図書館サービスも訓練も利用者の方との距離の近さを感じました。
4月からは再び日本点字図書館へ戻りますが、こちらのセンターでの経験を踏まえて、利用者の方の気持ちをより一層、大切にして仕事をしていこうと思います。
皆様、どうぞお元気で。2年間、お世話になりました。
【ご挨拶】
2014年に川崎盲人図書館が川崎市視覚障害者情報文化センターと名称が変わり、用具の斡旋販売もできる新しい施設となってから今年の春で8年目を迎えます。福祉センターから今のセンターの書庫に、点字図書やデイジー図書のすべてを業者に頼らず、職員で運び出したり、引っ越しはかなり大変だったことも今ではいい思い出です。
そのセンターを離れ、4月より日本点字図書館の用具事業課に異動することとなりました。
開所当初から皆様には大変お世話になりました。利用者お一人お一人との距離も短く感じられ、大変有意義で濃密な7年間でした。この場を借りてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。ここで得た貴重な体験を次の職場でも、有効に活かしていきたいと思います。
コロナの影響で様々なイベントが中止になり、皆様と直接会う機会が減ってしまった一年でしたが、どうかこれからも当センターをよろしくお願いいたします。
以上、ふたりのご挨拶をお届けしました。さて、お別れは寂しいものですが、3月いっぱいとまだ少し先のことです。そして、日本点字図書館の職員として働いている以上、別なご縁もあることでしょう。ふたりとの再会を、どうぞ楽しみにしていてください!
コロナ禍の地元企業を応援するために発行された「川崎じもと応援券」ですが、緊急事態宣言の再発令に伴う飲食店の時短営業要請や外出自粛などの情勢を考慮し、期限を令和3年5月31日まで延長します。
皆様にご購入いただいた応援券には、『有効期限 令和3年1月31日まで』と記載されていますが、そのままご利用いただけますのでご安心ください。
センター長の杉山です。我が家はこれまで、2匹の犬を飼ったことがあります。コーギーとチワワです。2年ほど前にチワワを亡くした時は、かなりの喪失感で(特に妻は)しばらくは飼わないことにしました。それでも妻がペットショップをよく覗き込んでいるうちに、ある異変に気づきました。コロナ禍となり、ペットの値段がどんどん上がっていくのです。巣ごもり需要の影響で、これまでの倍に急騰。それでなくても高くて手が出なかったので、もう諦めざるを得ませんでした。
そんな時、ある知人から保護犬を勧められました。早速紹介された保護犬団体に電話して「チワワのメスがほしいんですが」と尋ねてみると、「あのね、ここはペットショップじゃないんだよ。そこまで限定するならペットショップに行って!」と江戸っ子のような喋り口でお叱りを受けました。その後、保護犬の実態を熱く話してくれました。ペットブームで安易に飼われた結果、飼育放棄されてしまった犬たち、ブリーダーのところで生まれた犬の中でも、ちょっとした身体的な特徴で商品にならない犬たち、未熟児のため流通にのらない犬たち、子犬を産み続け出産ができなくなったメス犬たち、そんな犬たちを保護しているそうです。犬舎ではエサを自分たちで作り与え、季節によっては暖房、冷房を夜通しつけ、病気になれば医者につれていきます。そして飼い主が現れるのを待っています。ただ、希望者にすぐに渡すことはせず、命のバトンを託せる人かどうか、しっかり審査するそうです。
ここの団体は15項目の譲渡条件があり、私の場合は60歳以上なので後見人を見つける必要があります。そして、よしと判断されたら、希望した犬とだけ面会します。あれこれ見て選ぶのではなく、そのワンちゃんを預かるか、どうかを決めるのだそうです。同じ犬を飼うのでも、ペットショップとは全く違うのです。お叱りを受けた訳です。
話しを聞いてこの活動に賛同すると共に、譲り受けたくなりました。現在、未熟児で生まれたワンちゃんを受け入れるべく進行中です。
「今度、温泉でも行って、ゆっくりしたいね」。数年前なら気軽に言えたこんなセリフも、コロナ禍の今は口にするのもはばかられてしまいます。
ここでは職員の旅の思い出話を通して、「あの頃はよかった」とほのぼのしつつ、一日も早い事態の収束を祈る機会にしたいと思います。
(1) もうかなり昔の話ですが、趣味で関東各地の遺跡を訪ねて歩いている時のある地方での話。地図を見てその場所が探せなくて、地元の方に尋ねてみると「郵便局の裏にあるから行ってみなんしょ」と教えられた。
しかし、教えられたところへ行ってみると「ヰセキ農機」のお店だった。
あまり有名じゃない遺跡だったからかな?有名なところでは、土産物のお菓子のデザインになっているところもあるのだけれど……。【渡辺】
(2) 2年ほど前、家族で伊香保温泉に行く予定でした。何日か前から風邪の諸症状を感じていましたが、奇しくも旅行の前日はセンターまつり、無理をしてしまいました。仕事終わりにはフラフラになり、電車は座れたものの「寝たらダメだ、寝たら死ぬぞ」状態でした。
結局インフルエンザでキャンセルもできず、夫と息子は意気揚々と出かけていきました。帰ってきた息子が「お母さんの分も僕が食べた。おいしかった~」と満足そうに言うのを見て、「お母さんなんか、誰もいない家でずーっと寝てたんだぞ」と睨みながらお土産をやけ食いしました。【斉藤】
次回はどのようなエピソードが飛び出すのでしょうか?乞う、ご期待!
(※本コーナーは不定期連載です)
東日本大震災が発生した2011年3月11日、夜になっても山手線は運転を見合わせていたため、仕事帰りの私は池袋まで歩くことにしました。
その途中、通りに面した居酒屋の店内を何とはなしに眺めた私は驚きました。大勢の人々で賑わっていたのです。皆、疲れた表情を浮かべながらも、電車が動くまでの時間、押し寄せる不安を誰かと語り合うことで紛らわしているように見えました。
2021年。あの日、人々の心の支えとなった居酒屋が、今はコロナ禍で窮地に立たされています。あの夜の賑わいを思い出すと、胸が痛みます。
メールマガジン『アイeye』 編集長 橋口講平
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