2019年9月25日(水曜日)発行
発行責任者 杉山雅章
おかげさまで当メルマガは創刊100号を迎えました。100号記念として今回は特別編成でお届けします。
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東京・高田馬場の日本点字図書館では11月9日、10日の二日間、「日本点字図書館オープンオフィス~見えない世界を見に行こう!」を開催します。点字図書館の事業に関する体験コーナーや目の不自由な人の生活を知るコーナーが予定されている他、9日には精神科医の香山リカ氏による講演、10日には日本パラリンピアンズ協会会長の河井純一氏による講演、テノール 歌手の秋川雅史氏によるミニコンサートが企画されています。
半年ぶりになります、澤村です。過去2回は、うどんのどんぶり鉢とごろごろじゃがいものお話をしましたが、今回は私の趣味のお話をさせてくださいね。はとこ(彼女の祖母と私の祖父が兄弟)がフルート奏者なので、所属している日本フィルハーモニーの演奏会やソロコンサートなど、彼女の演奏を聴きにいくことが大好きです。私も中学高校は吹奏楽部でフルートを吹いていました。彼女とは高校の先輩後輩の関係でもありますが、当時から彼女の音色は本当に私と同じ楽器なのか?と疑うほど際立って美しかったものです。隣で聞き惚れて、私は間違ってばかりいたかもしれません。という昔話はさておき、この夏ちょっと変わったおもしろい日フィルの演奏会をご紹介したいと思います。
その名も「耳で聴かない音楽会」。通常のオーケストラ演奏に加えて、聴覚に障害をもつ方のために振動や光で音を楽しむ最新デバイスが2階席の一部に設置されていました。もうひとつは舞台上に大スクリーンが設置され、テンポやリズムに加え、演奏する曲からイマジネーションを膨らませたオリジナル映像が映し出されました。また、チェロの弦をそのまま拡大して映し出した場面もあり、弾いた弦が規則正しく美しい波形を描いたときには観客からはオーという歓声があがりました。音を映像でどう表現できるか、という試みです。
意外なところでは、何の変哲もない「紙やすり」が最初にプログラムと一緒に手渡されました。曲中に指示があり、観客全員が練習を経て音楽と映像にあわせてシャリシャリとこすり合わせました。つまり、耳を通してだけでなく、手から伝わる振動、目で見る映像などから音楽をともに味わうことができます。ほかにもたくさんの仕掛けがあり、全身をフルに使っての2時間、欲張りな私はおなかがいっぱいになりました。
終わってみて、すべての方にとって「聴く」とはどういうことなのかをあらためて問いかけた音楽会だったと思います。そのときの心の置きどころによっても自由に選択でき、「聴く」ことの多様性にチャレンジしたユニークな演奏会だと感じました。
ここ数年、さまざまな分野の第一線で活躍するアーティスト、研究者、企業の開発者らが、障害や困難を抱える人々の「身体性」に目を向け、本当の意味での「バリアフリー」社会実現に向けて、少しずつではありますが試みが重ねられていると個人的には感じています。障害に対する直接的な配慮、たとえば点字や手話などはもちろん必要ですが、障害にとらわれすぎず、より多くの人々が楽しみ、想像し、共有し、関心をもち、交流できる社会にむけて一歩でも進んでいけたらいいなと願っています。
誰にも若い頃に忘れられない本との出会いがあるものです。ましてや図書館職員たるもの、本に対する思い入れはおそらく人並み以上のはず!?
ということで、川崎アイeyeセンター職員アンケートによる、「青春の1冊」をご紹介します。職員名、タイトル、蔵書の有無、著者名、コメントの順になっています。
いかがですか?いかにも個性的なセンター職員が選んだ「1冊」。バラエティにとんだ魅力を感じていただけましたか?
読書の秋に、ぜひお手にとってお楽しみください。
オルガニートは、小さな穴を開けた紙のカードを挟んで、ハンドルを回すと誰でも簡単にきれいな音のオルゴール演奏ができる手回しオルゴールです。すでにお知らせしましたが、オルガニート愛好会の佐々木幸弥先生をお迎えしてこのオルガニートを演奏してみる体験会を開催します。ふるってご参加ください。
読者の皆様の励ましに支えられて、メルマガ100号の節目を迎えました。これからも川崎の話題、お役立ち情報をお届けしてまいります。ご愛読のほどよろしくお願いします。
メールマガジン『アイeye』編集長 鳥居秀和
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