2017年12月25日(月曜日)発行
発行責任者 杉山雅章
目次ここまで
12月29日(金曜日)から1月3日(水曜日)は休館となります。
年始は、1月4日(木曜日)朝9時より通常通り開館いたします。
今年も、たくさんのご利用をありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。
アイeyeセンターでは今年度も「視覚障害者と支援者のための防災イベント」を開催します。いつ起こるかわからない災害に対して、身を守るためにはふだんの備えしかありません。何をしておくべきなのか、いざ災害時には何ができるのかを考えるきっかけとしていただけたらと思います。
川崎フロンターレ奇跡の逆転優勝!! センター長 杉山雅章
私はサッカー大好き人間です。川崎フロンターレは、練習場が自宅から車で数十分の所です。暖かな天気の時はお弁当を持って練習を見に行ったこともあるチームなので、7、8年前から時々試合を見に言ったり、試合結果を気にしていました。そこでわかってきたのが、この川崎フロンターレ、とにかくここ一番に弱い。昨シーズンも、2試合を残し2位だったのに、その2試合とも負け。今年はルヴァンカップというJリーグのトーナメント戦で決勝まで進み、「いよいよ初タイトルか」と思ったらセレッソ大阪に負け。これまで国内3大タイトルで8回の「2位」。本当に勝てない。何度悔しい思いをしたことか……。
実は私、このように後一歩で優勝できないチームを応援するのが好きなんです。苦労したチームがやっと優勝する。これがたまりません。さて、そんな川崎フロンターレの運命の日、12月2日Jリーグ最終試合。一応川崎の優勝がかかってはいますが、鹿島が引き分けか負けで、且つ川崎が勝った場合という他力本願の条件。鹿島には、これまでトンビに油揚げのごとく目の前の優勝をさらわれてきたので、今年もダメだろうと思っていました。そんな土曜の午後4時ごろ、来客と打ち合わせ中にチラッと目をおろした携帯電話に「川崎フロンターレ創設21年目の初優勝!」のテロップが表示されました。「オーーッ!」と思わず声を上げ来客者と握手してしまいました。本当に長かった優勝までの道のり。すぐに思い浮かんだのは、川崎一筋で15年プレーしているチームの中心選手 中村憲剛(なかむらけんご)のこと。もう38歳。サッカー選手ならいつ引退してもおかしくない年齢。「今年ダメなら優勝を経験しないで引退してしまうな」と思っていました。何とか憲剛が現役のうちに優勝させたい。そのような気持ちがサポーターにはありました。
そんな思いをこめた優勝パレード、どんなパレードになるのか。サポーターの端くれとして、行ってきました。これだけ悔しい思いをした選手とサポーター。これまでの鬱憤を晴らすかのような大騒ぎ!となると思いきや、川崎サポーターと選手はちょっと違っていたように思います。川崎サポーターは若い人たちはもちろんですが、子供達と一緒の家族連れ、年配の人たちも結構多く、幅広い年齢層です。もちろん、歓声も大きかったのですが、「歓喜の極みで大騒ぎ」というより、結構、潤んだ目で微笑みを浮かべて選手を見つめ、手をふっていた人がいたように見えます。
一方、選手はどうかと言うと、ファンに手を降って喜び、はしゃいでいる人もいれば、笑みを浮かべて穏やかに祝福するファンを見つめている選手もいました。力強い歓声の嵐ではなく、穏やかで暖かい声援。そんな雰囲気がとてもすばらしかった川崎フロンターレらしいパレードでした。
来年も是非とも優勝して、今度は高らかに歓声をあげ大騒ぎしたいものです。
10月から歩行訓練の実習をさせていただいています澤村実希です。3月までは日本点字図書館の用具事業課に在籍し、4月から半年間、歩行訓練士になるため大阪の日本ライトハウスで学んできました。日本ライトハウスでは47年前から歩行訓練士を養成しており、私は47期生、センターの島田は1年先輩の46期、中村は21期です。養成過程では、アイマスクをして白杖を持ち大阪の街を実際に歩きます。すぐ近所のコンビニでさえふらりと気軽に行くことができず、ほんの小さな判断でも危険と隣あわせで、白杖で歩くことがこんなに大変なのかと身をもって体験しました。
センターでは、利用者の方々が日々直面しているさまざまな困難や厳しい環境を肌で感じています。3ヵ月の実習期間が過ぎ多くの課題がみつかりましたが、私自身の「ものの捉え方」をいったん手放し、その方が自立できるために何ができるかを一緒に考えることがこの仕事の肝だと何度も気づかされました。潜在的に持っておられる、人生の中で培ってこられた「生きる力」を私が確実に受け取ることからはじまるといっても過言ではありません。
私に務まるのだろうかと不安ばかりではありますが、ちょっぴり遊び心も加えた訓練の現場を数多く経験できました。南武線の駅名もだいぶ覚え、お昼はラーメンを食べ歩き、今年の秋は金木犀が長く咲き香ったなとか、今までの日点での仕事とはまったく違った環境を楽しみながら、毎日市内をぐるぐる歩きまわっています。もうしばらく実習が続きますが、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
お役立ち シンボルケーン(白杖)の紹介 歩行訓練士 中村透
今回は白杖の紹介です。商品名は“クリスメイト”と言います。カーボン製で、60gと言う軽さです。昔のラジオのアンテナのようにスライドさせて伸ばして使います。ギュッと力を入れて伸ばさないといけませんが、先端部分の石付きが丸みを帯びていて、杖をスライドさせて使えるようになっています。縮めた状態で長さは26cmほどで、ハンドバッグに入れるにはもってこいです。太さも直径2cm程度ですので、携帯するのに邪魔にならないと思います。
どんな時に使うのか?というと、まあ、個々の方が考えればいいと思いますが、室内であれば会議室の中の移動時やトイレの中など外出先で少し使うのに適していると思います。ビジネスホテルなどで室内を探索する時に使うのもいいかも知れない。また、温泉に行った時に大浴場などで使うのもいいんじゃないか?と思います。浴槽と洗い場などの移動にも使える気がします。
商品を取り扱っているのは株式会社アメディア(電話番号 03-6915-8597)か日本ライトハウスのエンジョイグッズサロン(電話番号 06-6441-0039)です。値段は6800円とややお高めですが、通常の杖が折れたときの予備杖としても備えても良いのではないかと思います。“触ってみたい!”と思われる方は川崎情文にご連絡下さい。
国会図書館収蔵のSPレコードの音源をお楽しみいただく特別企画「れきおんクラブ」、第15回は日本を代表する筝曲の演奏家であり作曲家の宮城道雄の特集です。伝統的な邦楽の世界にあって、西洋音楽の技法を積極的に取り入れた新作を発表したり、ジャンルを超えた演奏家とのコラボレーションに挑む宮城道雄の作品世界。代表曲「春の海」をはじめとする数々の名演奏でその生涯を探ります。
朝夕の冷え込みに震えて気がつけば、今年もあとわずかとなりました。今年もアイeyeセンターをご利用いただきありがとうございます。過ぎ行く歳を振り返りつつ、新年も心機一転がんばっていきますのでよろしくお願いします。
メールマガジン「アイeye」編集長 鳥居秀和
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