2015年10月25日(日曜日)発行
発行責任者 小野俊己
目次ここまで
視覚障害者向け総合イベントサイトワールドが、今年も11月1日から3日までの三日間にわたり、東京・錦糸町駅前のすみだ産業会館で開かれます。毎年50以上の企業・販売店が集まり、最新のグッズを紹介するブースは大盛況ですが、この三日間にはさまざまなイベントも開催されます。
いずれも入場無料です。ガイドブック(墨字・点字)は事前配布のため希望される方は事務局にご連絡ください。
ご機嫌いかがですか?パソコンや点字の訓練の時にお話をしたり、解説付き映画の会で時々司会をしています今野と申します。せっかく紙面を自分のことで埋められるというので、自分のことをご紹介してみようかと気分のおもむくまま書いてみます。
普段は、視覚障害者職員として書類をデータでもらって読んだり、介助のスタッフに読んでもらったり、パソコンでいろいろな書面を作ったりして、訓練のみなさんの様子を記録に残しています。
一方、家族は妻も私と同じ視力が0の視覚障害者で、下は中学2年生から大学院を出て今年就職した長男まで、全員で5人の男の子がいる7人家族です。
私と言うと、盲学校の理療科を出たにもかかわらず、点字出版所にすぐ就職、その二十代にはテープで音読された原稿を当時の印刷原板であった亜鉛板製版機で打ち込んだり、1時間に1500枚もの速度で亜鉛板に紙を挟んでローラーがけをするような点字の本の印刷なんかをやってきました。もちろん、校正のお仕事もたくさんありました。
仕事をするようになった同じ時期から、親元を離れ、独身貴族生活をしましたので、買い物や料理をするのもとっても楽しいと感じて今に至っています。
家のある都内の江戸川区から、趣味のバンド活動をするために池袋や新宿、果ては仲間のいる横浜の大学のサークル棟など、お構いなしに外出を繰り返してしまった結果、電車に乗るのも大好きになりました。
親父は昭和10年産まれで、11、2歳の頃にかってに自分ちの鶏を絞めて業者に売りさばきこづかい稼ぎが親にばれて怒り心頭した父親の発射する猟銃の玉が肩をかすめた経験の持ち主。そういう家庭で育ったせいか、あまり考えずに行動先走りの性格が私を牛耳っているように感じています。今野家仕込の視覚障害者の子供へのしつけは、そんな親父が編み出したオリジナル。箸の使い方、紐結びには、怒鳴られ叩かれあまり楽しかった訓練とは思えません。でも、1度手にした技術は、自転車乗りの原理通り身に付くものなのでしょうね。
そんな中で、見えない人が対等に社会に出るにはという課題を、いつでも心のどこかで意識して工夫する、そういう習慣が身に付いてしまったのかも知れません。点字出版所、視覚障害者向けパソコンサポート、そしてこのセンターと、普段私が心に留めている心棒のような物体が、行動の方向性を担っているような、そんな53歳の男です。だから、訓練も若干辛口トークがあるはず。でも、年齢のせいか、10年前ほどじゃあなくなってきたかなあと不満足な部分も感じています。どうぞよろしく!!
秋の味覚がうれしいこの頃、ちょっと晩酌もすすみます。そんな方に、今回は「お酒」のご案内です。
日本点字図書館の創立者、本間一夫の生誕百年を記念して限定日本酒が発売されました。「なぜ、お酒?」と思われる方もいらっしゃいますね。実は本間一夫が生まれたのは北海道・増毛町にある商家。ニシン漁で財を成し、やがて創業者の本間泰蔵が故郷の佐渡から仕入れた酒米をもとに、醸造業(国稀酒造)を営んでいるのです。
この日本最北端の酒蔵として日本酒ファンに広く知られる国稀酒造株式会社様より、地元でのみ販売している地域限定商品2種を、生誕百年記念の特別商品として2015年12月18日まで販売していただくことになりました。
日本酒好きの方も、ふだんはビールがお好きな方も、ぜひお試しください。
なお、ご注文はアイeyeセンターではなく国稀酒造へお願いします。
インターネットでご注文の方はそれぞれのリンクで、国稀酒造のネット販売のページにつながります。ファックスでご注文を希望される方には、センターで申込用紙をお配りしています。
お電話の方は 0164-53-1050 へ。
20歳以下の方はお申し込みになれません。
純米酒ながら酸味を抑えた軽やかですっきりとしたのどごしです。
720ml / 2,600円(税込)
http://www.kunimare.co.jp/products/detail.php?product_id=107
吟醸酒の持つ果実の香りと奥行きある甘みに、純米ならではの厚みのある味わいです。
720ml / 4,100円(税込)
http://www.kunimare.co.jp/products/detail.php?product_id=108
日本点字図書館 日本酒特設ページ
http://www.nittento.or.jp/about/honma100th/sake.html
“やるなあ、東急ストア” 利用者支援グループ 中村透
先日、利用者の方の歩行訓練で、東急田園都市線高津駅の駅前にある“東急ストア”に行った。初めて訪れた店だが、入り口付近に誘導ブロックがあり、その先になんと介助が必要な方へと書かれたインターフォンが設置されていた。
大きな店舗では数回見たことはあるが、結構小さい感じの店なのにこのインターフォンが設置されているとは…。ただし、ブロックをたどり、インターフォンの前まで来ると、そこには後から据えた看板がブロックの両サイドにあり、インターフォンがちょうど見えないようになっていた。もちろんすぐに“これからこの方がこのお店を利用したいと考えているのですが、看板を撤去しておいていただけませんか”“一人でお店を利用することは可能ですよね?”と2つの確認をしておいた。“もちろん大丈夫です”と心強い返事が返ってきた。今度確認に行くからね。
ついでに“東急ストア バリアフリー”で、グーグル検索(最近はググる、というらしい)してみた。そうしたら東急ストア全店舗に“サービス介助士”なるものを配置しているとの事である。そう言えば、東急電鉄の職員の人もこの“サービス介助士”の研修を受けていると言ってたっけ。やるなあ、東急。
せっかくこんなサービスをしているんだから、積極的に活用してみてはどうだろうか?と皆さんに言いたい。
最初にも触れたが、インターフォンが看板で隠れるようになっていたのは、使われないからだ。使われないから“ここに設置しても大丈夫だろう”になってしまう。大変残念だ。
店の中をひととおり見た。品揃えは十分だ。世帯人数の少ないことを想定し、小分けの肉、一人用のなべセット、惣菜なども充実している。唯一の欠点は、割高だ、ということだ。モノにもよるが、2割ほど高いような気がする。私のような貧乏人には致命的な欠点だが、使い切れないほどの安価な肉を買うより、いいかもしれない。
お試しあれ。
9月に実施した「れきおんクラブ」では、懐かしい昭和の音楽や名人の話芸、貴重な歴史の証言など、歴史的音源の魅力をたっぷりとお楽しみいただきました。
今回、参加された皆さんから大変ご好評をいただき、これからも続けてほしいというご希望を受け「川崎歴史的音源を聞く会 れきおんクラブ」をセンターで定期的に開催することになりました。
開催日は奇数月の第1土曜日、午後2時から4時ごろまでの予定です。毎回特集テーマを決めて、じっくりとお聞きいただきます。今後の予定についてお知らせします。
11月7日(土曜日) 特集 古賀政男の世界
2016年1月9日(土曜日) 特集 東西名人選 漫才と落語
3月5日(土曜日) 特集 日本の叙情 民謡・小唄・唱歌
土曜日の午後、懐かしい音をゆったりとお楽しみください。詳しくは後ほどお知らせします。
11月14日(土曜日)、15日(日曜日)の二日間、東京高田馬場にある日本点字図書館ではオープンオフィスを開催します。これは、地域・利用者の皆さんに事業報告を兼ねて施設内を一般公開するイベントです。
点字図書館の業務のご紹介をはじめ、ミニ点字教室や盲導犬体験コーナーなど、体験型・参加型の展示を数多くご用意しています。
アイEyeセンターも「見えない、見えにくいを体験しよう」というコーナーで訓練チームが参加します。白い杖を使って歩いてみたり、アイマスクやシュミレーションゴーグルをかけて見えにくい状態で、身の回りのことをしてみるなど、視覚障害者の苦労と工夫を知っていただこうと企画しています。
また、14日には作家、出久根達郎氏による講演「指と耳の読書 本間一夫先生をめぐって」、三好明子氏・三好俊行氏によるピアノ連弾ミニコンサート、15日には東京大学教授福島智氏の講演「ぼくの命は言葉とともにある」、ラジオ日本「小鳩の愛~eye~」公開録音(ゲスト 堀内恒夫氏)などのイベントも盛りだくさんです。
ぜひ、お越しください。
「秋深き イベント満載 どこ行こう?」
といったおもむきの今回のメルマガ『アイeye』でした。いかがでしたか?移りゆく季節の町の風を味わいながら、ふらりと出かけてみるヒントにしていただければと思います。
メールマガジン「アイeye」編集長 鳥居秀和
発行:川崎市視覚障害者情報文化センター(アイeyeセンター)
住所:郵便番号 210‐0026 川崎市川崎区堤根34番地15
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ファクス :044-222-8105
メールアドレス:kawasaki-icc@kawasaki-icc.jp
公式ウェブサイト:http://www.kawasaki-icc.jp/
メールマガジンは ここまでで終わりです。